関西国際空港連絡橋

関西国際空港連絡橋（スカイゲートブリッジR）の詳細解説

関西国際空港連絡橋、通称スカイゲートブリッジRは、大阪府泉佐野市のりんくうタウンと関西国際空港島を結ぶ、全長3,750メートルの巨大なトラス[[橋]]です。この橋は、単なる交通インフラにとどまらず、空港島への唯一の陸上アクセスとして、また様々な都市機能を支える重要な役割を担っています。

橋の概要

スカイゲートブリッジRは、上下二層構造となっており、上層には6車線の自動車専用[[道路]]が、下層には複線の鉄道が敷設されています。さらに、電気、ガス、水道、電話回線などの都市生活に不可欠なライフラインもこの橋を経由しています。鉄道橋としては、東北新幹線第1北上川橋梁に次ぐ長さを誇り、JR在来線・私鉄では日本最長です。

橋の管理は、鉄道部分を新[[関西国際空港]]株式会社が、道路部分を西日本高速[[道路]]株式会社（NEXCO西日本）がそれぞれ担当しています。道路部分は、2009年に旧関西国際空港株式会社からNEXCO西日本に移管され、一般国道481号に編入されました。

1987年に着工し、1991年に竣工したこの橋は、100年に一度の大地震や台風にも耐えうる設計がなされています。しかし、2018年には台風によるタンカーの衝突事故が発生し、道路の一部が破損、鉄道線路も被害を受けるという想定外の事態に見舞われました。

「スカイゲートブリッジR」の愛称は、「Road（道路）」「Railway（鉄道）」「Rinku（りんくう）」の頭文字に由来しており、その他にも「Rainbow（虹）」「Relationship（関係）」「Remember（記憶）」など、様々な意味が込められています。

国有化と管理体制の変化

連絡橋は、当初、旧関空会社が約1,500億円を投じて建設・管理していました。しかし、多額の有利子負債が経営を圧迫していたため、国による買収と管理が強く求められていました。2009年、道路部分が国に買収され、国有化が実現しました。

国有化にあたっては、国道481号の一般有料道路として整備され、旧関空会社から国が買い取る形がとられました。これにより、道路の管理はNEXCO西日本に移管され、自動車通行料金も値下げされました。また、道路上の案内標識は自動車専用[[道路]]仕様となり、インターチェンジ番号も付与されました。

一方、鉄道部分は、引き続き関空会社が所有し、JR西日本と南海電鉄が使用しています。2012年には、鉄道部分も旧関空会社から新関空会社に移管されました。

通行料金と泉佐野市の税金

連絡橋の国有化に伴い、泉佐野市は年間約8億円の固定資産税収入を失うことになりました。このため、市は一時、通行車両から通行税を徴収する条例を可決しましたが、国からの財政支援策を受け入れ、この条例は廃止されました。その後、改めて法定外普通税としての課税が検討され、2013年から関空連絡橋利用税が徴収されています。

通行料金は、本州から空港島に入る際の料金所で、往復分と利用税をまとめて支払います。料金は消費税の変動に応じて改定され、泉佐野市の関空連絡橋利用税が別途徴収されます。

道路構造とインターチェンジ

連絡橋の道路部分は、道路構造令で第一種第三級に分類され、設計速度は80km/hとなっています。橋の両端にはポール照明が、中央部には高欄照明が設置されています。これは、航空法による高さ制限と、パイロットや船舶への有害な光を避けるための措置です。

連絡橋には、サービスエリアやパーキングエリアなどの休憩施設は設けられていません。接続する道路としては、関西空港自動車道、阪神高速4号湾岸線、国道481号などがあります。

ETCとタクシーの通行料金

連絡橋では、2007年からETCが利用可能となっています。NEXCO西日本への移管に伴い、深夜割引や通勤割引も導入されました。また、ETCマイレージサービスでポイントが貯まるようになり、還元額の利用も可能です。

タクシーの通行料金に関しては、以前は特例措置がありましたが、国有化以降は通常の往復料金が適用されています。このため、タクシー会社や運転手によっては、料金の扱いが異なる場合があります。

交通量と鉄道

連絡橋の交通量は、道路交通センサスによって調査されています。令和2年度の調査は、新型コロナウイルスの影響で延期されました。

鉄道は、JR関西空港線と南海空港線が連絡橋の下層を共用しており、りんくうタウン駅と関西空港駅間、日根野駅と関西空港駅間、泉佐野駅と関西空港駅間など、各方面からのアクセスが可能です。

タンカー衝突事故とその復旧

2018年には、台風21号の影響でタンカーが橋桁に衝突し、連絡橋が大きな損傷を受けました。この事故により、一時的に連絡橋は使用不能となりましたが、応急処置の後、段階的に交通が再開され、2019年4月には全面復旧しました。

まとめ

関西国際空港連絡橋は、その建設から現在に至るまで、数々の変遷を経てきました。インフラとしての役割だけでなく、地域経済や人々の生活を支える重要な存在として、これからもその役割を果たしていくでしょう。

参考文献

泉佐野市税務課長975日の闘いミッションインポッシブル─関空連絡橋に課税せよ！ 竹森知 文芸社 2021年 ISBN 9784286226699

関連情報

関西国際空港株式会社
西日本高速[[道路]]株式会社
CVV(Civil Veterans & Volunteers)HP：関西国際空港連絡[[橋]](https://cvv.world/bridge/sky-gate-bridge.html)

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