闘神都市

『闘神都市』シリーズ

『闘神都市』は、アリスソフトが開発・発売したアダルトゲーム、およびそのシリーズ作品です。年に一度開催される武術大会「闘神大会」を舞台に、プレイヤーは個性豊かなキャラクターたちと出会い、ダンジョン探索や対戦を繰り広げながら物語を進めていきます。本稿では、シリーズ全体の内容と、関連作品について解説します。

シリーズ概要

『闘神都市』シリーズは、主にPCゲームとして展開しており、『闘神都市』（以下『I』）、『闘神都市II』（以下『II』）、『闘神都市III』の3作品が発表されています。これらの作品は、アリスソフトの代表作として知られており、独特な世界観とゲームシステムが多くのファンを魅了しています。『II』には、後日談を描いたデジタルノベル『闘神都市II そしてそれから…』が存在します。また、世界設定は同じアリスソフトの『ランス』シリーズと共通していますが、各作品はパラレルワールドとして描かれており、ストーリー上の直接的な繋がりはありません。

『闘神都市』 (I)

シリーズの第1作目である『闘神都市』は、1990年にPC-9801用ソフトとして発売されました。主人公のカスタムは、ヒロインのクミコと共に闘神大会に出場し、父親の行方を探します。ゲームシステムは、ダンジョン探索とトーナメント形式の戦闘が中心で、個性的なキャラクターやコミカルな演出が特徴です。移植版として、X68000、MSX2、FM-TOWNS版が発売され、Windows 95版は『ALICEの館4・5・6』に収録されています。

『闘神都市II』 (II)

シリーズ第2作の『闘神都市II』は、1994年にPC-9801用ソフトとして発売されました。前作同様、闘神大会を舞台にした物語が展開され、より洗練されたゲームシステムやグラフィックが特徴です。後日談となるビジュアルノベル『闘神都市II そしてそれから…』や、OVAも制作されました。2014年にはニンテンドー3DS版としてリメイク版が発売されています。

『闘神都市III』 (III)

シリーズ第3作『闘神都市III』は、2008年にWindows XP/Vista用アダルトゲームとして発売されました。本作では、ダンジョンや戦闘が3Dで表現され、ターン制からリアルタイム制に変化しました。主人公のナクトは、失踪した父親を探すため闘神大会に出場します。武器にアイテムを付与するシステムや、個性豊かなキャラクターが特徴です。発売時にはLeafの『君が呼ぶ、メギドの丘で』との合同予約キャンペーンも実施されました。

ゲームシステム

本作の基本システムは、ダンジョン探索と街での情報収集を繰り返しながらストーリーを進めるRPGです。ダンジョンには様々な仕掛けが施されており、それらを解除するためには一度街に戻る必要があったり、特定のアイテムが必要だったりします。闘神大会はトーナメント形式で行われ、1対1の戦闘に勝利することが目標です。試合では、対戦相手を倒すか、降参させれば勝利となります。出場者は、女性をパートナーとして登録する必要があり、女性自身をパートナーにすることも可能です。試合に勝つと賞金や賞品が贈られ、対戦相手のパートナーを1日自由にする権利を得ることができます。優勝者には「闘神」の称号が与えられ、闘神の館で暮らすことが許されます。

ストーリー

『闘神都市』(I)

主人公のカスタムは、モンスターに襲われていたクミコを助け、彼女の父親を探す旅に同行することになります。クミコから闘神大会への出場を依頼されたカスタムは、大会に出場するための「勇者の紋章」を得るため、試練迷宮に挑みます。大会では、数々の強敵との戦いを繰り広げ、最終的には闘神の座を勝ち取ります。

『闘神都市III』(III)

主人公のナクトは、失踪した父親の行方を追って闘神都市にやってきます。幼馴染の羽純をパートナーとし、闘神大会に出場します。ナクトは実力では他の出場者に劣りますが、羽純のサポートを受けながら、多くの出会いと戦いを経て成長していきます。

開発背景

『闘神都市』は、没になった企画の代案として開発されたため、他の作品とは異なりコミカルな作風になっています。開発期間が短かったため、導入を見送られた要素も存在します。当初は、マップを外字フォントで表現するローグライクのようなシステムが予定されていましたが、スタッフの反対により、キャラクターをマップで動かす方式に変更されました。この変更は、開発チームにとって大きな転換点となり、その後の作品開発にも大きな影響を与えました。

反響

『闘神都市』は、発売後大きな反響を呼び、アリスソフトのブランド認知度向上に大きく貢献しました。また、本作がきっかけで、美少女ゲーム業界に就職する人も現れるほどでした。業界関係者からも高い評価を受けており、その完成度の高さが広く知られています。『闘神都市III』は、発売月のGetchu.comの売り上げランキングで首位を獲得し、その人気ぶりを示しました。IGNの歐陽宇亮は『III』を2008年のベストゲームに選定しています。

登場キャラクター

シリーズ共通キャラクター

シュリ・セイハジュウ・ナガサキ: 闘神大会の受付嬢。シリーズを通して登場し、闘神ダイジェストの解説も務めます。
クリちゃん: 魔法ビジョンの番組「闘神ダイジェスト」の司会者。元気な女の子ですが、無駄話が多いのが特徴です。
切り裂き君: 「闘神ダイジェスト」の解説者。クリちゃんのノリの軽さに呆れています。
魔女アトランタ: 魔人レキシントンの使徒で、美女を鏡の中に閉じ込める趣味を持っています。ランスシリーズにも登場します。
ボーダー・ガロア: 筋骨隆々の巨漢で、恋人のレイチェル・ママレーラをパートナーとして闘神大会に出場。実力者ですが、優勝にはなかなか届きません。
ドギ・マギ: 闘神大会の出場者。腕力だけで全てを解決しようとする乱暴者。
マニ・フォルテ: ドギのパートナー。元々は裕福な家の普通の少女でしたが、ドギに拉致されてパートナーにされます。

『闘神都市』(I)の登場人物

カスタム: 主人公。クミコをパートナーとして闘神大会に出場します。
クミコ: 闘神大会に出場したまま行方不明の父親を探しています。
アレキサンダー: 今作の闘神で、クミコの父親です。
ポウ: 大会参加者の一人。後に女悪魔と契約します。
ラグナスター: 年配の魔法使いで、カスタムに魔法を教えます。
アーサー: 大会参加者の一人。パートナーのミーナを探しています。
ライピラキ: 弓の名手で、ドラゴンに変身するライカンスロープです。
やよい: 忍者（くのいち）。後に仲間になります。
雪風: やよいの侍女。
ロリ: アイドル歌手。後に仲間になります。
モーリス: 女戦士で、性格が悪いです。
ダリス: 女悪魔で、セルジィと敵対しています。
KASUMI: 闘神を陰で操っていた女。
MIKA: KASUMIの娘で、闘神を倒すほどの実力者です。
ラセリア: カスタムのレベル神。
ランス: 闘神大会に出場する戦士。外伝で主人公になります。

『闘神都市III』(III)の登場人物

ナクト・ラグナード: 主人公。失踪した父親を探して闘神大会に参加します。
羽純・フラメル: ナクトの幼馴染でパートナー。付与能力を使います。
レメディア・カラー: 異種族カラーの剣士で、ナクトの憧れの女性です。
闘神レグルス・ラグナード: ナクトの父親。失踪後に蛮行を繰り返しています。
闘神ボルト・アーレン: 2年前の闘神大会優勝者。より強くなることを求めています。
十六夜幻一郎: 正義感の強い忍者で、トランペットを吹いて現れます。
十六夜桃花: 幻一郎の妹でパートナー。兄にべったりです。
十六夜燐花: 幻一郎の妹で二人目のパートナーです。
ナミール・ハムサンド: パートナーを兼ねる闘神大会出場者。二つのフォームを使い分けます。
マダラガ・クリケット: 蟲使いで残忍な性格。
アザミ・クリケット: マダラガのパートナーで、ほとんど無感情です。
アジマフ・ラキ: ナクトに競争意識を持つ少年。
ぶるま大使: ぶるま教の信者で、試合になると豹変します。
フィオリ・ミルフィオリ: 闘神大会観戦に訪れたお嬢様。
シン・ビルニー: 都市長で、闘神大会の開催者です。
クミコ: ナクトのレベル神。
白井カタナ: 長刀使いの美少女。妹を救うために自らを犠牲にします。
白井クナイ: カタナの妹で、姉を慕っています。
アオイ: マダラガの対戦相手のパートナーで、輪姦されます。
ハナコ: マダラガの対戦相手のパートナーで、蟲によって凌辱されます。
カラーの少女: 輪姦され、殺害されます。
ポロロム・グライコ: ゾンビに輪姦された修道女。その後自ら性的奉仕を行うようになります。
夢色・パニィ: 闘神大会の賭博場の司会者で、レイプされます。
マルデ・カテナイ: ナクトの宿の女主人で、レグルスに凌辱されます。
のぞみ: マルデの宿のメイド。マルデとともに凌辱されます。
ナナ・D・タタール: 高飛車な令嬢。破産後、メイドとともにレイプされます。
スエ・オサンドン: ナナのメイドで、巻き添えになります。
鉄騎臣: 実の娘同然の京子をパートナーとするが、ゾンビとして復活し京子を犯します。
神楽坂京子: 鉄のパートナーで、鉄にレイプされます。

外部リンク

闘神都市III 公式サイト
ロットアップ（生産終了）ソフトカタログ - ウェイバックマシン
アリスソフトアーカイブズ
闘神都市（英語） - MobyGames

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