陸奥市川駅

陸奥市川駅（むついちかわえき）

陸奥市川駅は、青森県八戸市市川町に位置する青い森鉄道青い森鉄道線の駅です。かつては旧東北本線の一部であり、八戸市の歴史と深く関わってきました。

歴史

陸奥市川駅は、その歴史の中でいくつかの重要な転換点を経験しています。

1926年（大正15年）11月5日: 轟信号場として開設。
1942年（昭和17年）: 陸軍八戸飛行場への専用線が敷設され、軍事輸送の拠点としての役割を担いました。
1944年（昭和19年）10月11日: 駅に昇格し、旅客・貨物の取り扱いを開始。同時に陸奥市川駅に改称。
1945年（昭和20年）9月20日: 進駐軍鉄道運輸事務所（RTO）が設置され、戦後の復興期には進駐軍の輸送拠点となりました。
1947年（昭和22年）7月10日: 進駐軍輸送のための設備が拡充され、専用ホームが新設されました。当時の線路配置は現在とは異なり、2番線が上り本線、3番線が下り本線として使用されていました。
1952年（昭和27年）3月24日: 豪雪によりホームの屋根が崩壊する被害を受けました。
1952年（昭和27年）3月31日: RTOが廃止され、進駐軍による利用は終焉を迎えました。
1965年（昭和40年）6月30日: 尻内（現：八戸） - 陸奥市川間が複線化されました。これにより、輸送能力が大幅に向上し、東北本線の全線複線化に貢献しました。
1968年（昭和43年）5月16日: 十勝沖地震により、構内で貨車が脱線・転覆する被害が発生。駅舎にも被害を受け、進駐軍用に使われた部分の多くが撤去されました。
1971年（昭和46年）10月1日: 貨物取り扱いが廃止され、旅客駅としての性格が強まりました。
1980年（昭和55年）5月: 業務委託駅となり、駅の運営体制が変化しました。
1985年（昭和60年）3月14日: 荷物扱いが廃止。陸奥市川駅長が廃止され、八戸駅長管理下となり、駅員無配置駅となりましたが、八戸駅から駅員が派遣されていました。
1987年（昭和62年）4月1日: 国鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道（JR東日本）の駅となりました。
1988年（昭和63年）: 老朽化のため、駅本屋の待合室が撤去され、駅事務室の一部のみが残されました。
1999年（平成11年）: 無人化され、駅の運営体制が大きく変わりました。
2010年（平成22年）12月4日: 東北新幹線全線開業に伴い、青い森鉄道に移管され、現在に至ります。

駅構造

現在の陸奥市川駅は、2面2線の単式ホームを持つ地上駅です。かつて使用されていた下りホームの2番線は線路が撤去されており、現在は使用されていません。ホーム間は跨線橋で連絡しています。

八戸駅が管理する無人駅であり、自動券売機が設置されています。かつては駅員が配置されていましたが、現在は無人駅となっています。

のりば

利用状況

2019年度の1日平均乗車人員は154人です。

駅周辺

駅前には商店が1件のみ存在します。宿泊施設や歓楽街は、駅から徒歩10分程度の桔梗野地区に集中しています。

バス路線

かつては駅前に乗り入れるバスの本数が少なかったものの、2011年4月1日のダイヤ改正により、市営バスと南部バスが駅前構内に乗り入れるようになりました。ただし、十和田観光電鉄は旧経路のまま「陸奥市川駅通」バス停を利用しています。

2021年4月1日のダイヤ改正に伴い、南部バスの路線が廃止されました。

その他

第二次世界大戦中、八戸飛行場のために信号場から駅へと昇格したという経緯があります。
戦後には米軍進駐に伴い構内が拡張され、進駐軍輸送司令部の関係者が陸奥市川駅を「東北の二つの白象」と呼んだというエピソードが残されています。
* 日本国有鉄道（国鉄）・東日本旅客鉄道（JR東日本）時代には、特急「はつかり」が1日1往復停車していた時期もありました。

隣の駅

青い森鉄道

■青い森鉄道線

□快速「しもきた」

通過

■普通

八戸駅 - （貨）八戸貨物駅 - 陸奥市川駅 - 下田駅

陸奥市川駅は、その歴史と周辺地域の変化を反映しながら、今日も地域の足として活躍しています。

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