ΝMaicovicon

νMaicovicon（ニューマイコビコン）

νMaicoviconは、松下電器産業（現在のパナソニック）が開発した革新的な固体撮像素子であり、特に携帯機器向けに設計されています。このデバイスの正式名称は「New Matsushita Advanced Image Converter for Vision Construction」の略で、パナソニック社の登録商標となっています（日本第4867402号など）。

この技術が登場する前、固体映像素子としてはCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサが主流でした。CMOSセンサは比較的低消費電力であるため、主にカメラ付き携帯電話に広く採用されてきましたが、それにはノイズによる画質劣化という欠点がありました。一方で、CCDイメージセンサは高い画像品質を実現するものの、消費電力が大きいためバッテリーの持続時間を短縮させるという問題がありました。このような背景から、νMaicoviconは両者の優れた特性を組み合わせ、固体映像素子としての新たなスタンダードを目指して設計されました。

νMaicoviconはその初搭載製品であるN900iGにおいて、2004年に市場に登場しました。以降、パナソニック モバイルコミュニケーションズやNEC製の携帯電話端末でも採用されましたが、FOMA 905iシリーズや705iシリーズ以降ではその搭載が途絶え、現在ではあまり使用されていない状況です。

一方で、ビデオカメラ分野においては、νMaicoviconの性能が評価され、2008年7月にはパナソニック製のデジタルハイビジョンカメラ「HDC-SD100およびHS100」にも採用されるなど、予想外の展開を見せました。

さらに、νMaicoviconの技術を基に開発された「Live MOS（ライブモス）」は、デジタルカメラ用の新しいイメージセンサとしても注目されています。特に、フォーサーズ・システム規格に準拠したデジタル一眼レフカメラであるオリンパス E-330やパナソニック LUMIX DMC-L1に搭載され、このデバイスは初めて液晶によるライブビュー撮影を実現しました。

搭載製品一覧

携帯電話

• - FOMA P901i
• - FOMA P901iS
• - FOMA P901iTV
• - FOMA P902i
• - FOMA P902iS
• - FOMA P903i
• - FOMA P903iTV
• - FOMA P903iX HIGH-SPEED
• - FOMA P904i
• - FOMA P700i
• - FOMA P701iD
• - FOMA P702i
• - FOMA N900iG
• - FOMA N902iL
• - FOMA N701i
• - FOMA N701iECO
• - FOMA N702iD
• - Vodafone3G Vodafone 902T
• - Vodafone3G Vodafone 903T

ビデオカメラ

• - パナソニック HDC-SD100
• - パナソニック HDC-HS100

Live MOS（デジタルカメラ用）

• - パナソニック DMC-L1
• - パナソニック DMC-L10
• - オリンパス E-330
• - オリンパス E-410
• - オリンパス E-510
• - オリンパス E-3
• - オリンパス E-420
• - オリンパス E-520
• - オリンパス E-620
• - オリンパス E-30

このように、νMaicoviconはその特長を生かして各種デバイスに採用されましたが、技術の進化と市場の要求に応じて新たな画像技術が登場する中で、その地位は徐々に変化しています。

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