おえんさん

映画『おえんさん』について

『おえんさん』は、1955年（昭和30年）6月7日に公開された東宝製作の日本映画です。モノクロ、スタンダードサイズで、母と息子の愛情を軸に、ユーモラスな要素を交えながら物語が展開されます。監督は本多猪四郎が務めました。

制作背景

本多猪四郎監督は、当初『獣人雪男』の撮影に取り組んでいましたが、特技監督の円谷英二が『ゴジラの逆襲』を優先することになったため、『獣人雪男』の撮影が一時中断されました。その期間を利用して、本多監督は本作『おえんさん』の撮影を行ったという経緯があります。

あらすじ

詳しいあらすじは省略しますが、本作は、母子の愛情を軸に、笑いあり涙ありの人間ドラマが描かれています。当時の日本の家庭の様子や、人々の生活が垣間見える作品です。

スタッフ

製作：田中友幸
原作：中野実
脚本：西島大
音楽：斎藤一郎
撮影：飯村正
美術：北辰雄
録音：藤好昌生
照明：横井総一
助監督：岡本喜八
監督：本多猪四郎

キャスト

松山えん：水谷八重子
松山広志（一人息子）：小泉博
和泉珠子（広志の許婚）：司葉子
定子の夫徳五郎：藤原釜足
早川光江（えんの姉）：清川玉枝
野田安夫（質屋の息子）：山本廉
店員 栄吉：堤康久
店員 彰夫：中山豊
田辺：中村是好
鮫島医師：十朱久雄
八代目林家正蔵
八百種の内儀：馬野都留子
和泉定子：中北千枝子
谷清太郎（えんの昔の恋人）：清水将夫
ダンス教師：宇野晃司
仲買人：佐田豊、広瀬正一
小売商：河崎堅男、光秋次郎
荷受人：勝本圭一郎、津田光男、中西英介、河辺昌義

作品の魅力

『おえんさん』は、昭和の時代を背景にした、心温まる家族の物語です。水谷八重子演じる主人公の母親像は、強く、そして愛情深い女性として描かれ、観る者の心を捉えます。また、小泉博、司葉子といった豪華なキャスト陣が、物語に深みを与えています。本多猪四郎監督の演出も、コミカルな要素と感動的な要素をバランス良く描き出し、観客を魅了します。この映画は、家族の絆や愛情、そして人生の機微を、温かく、そして時にはユーモラスに描いた作品として、多くの人々に愛され続けています。

参考文献

竹内博 編『本多猪四郎全仕事』朝日ソノラマ〈ファンタスティックコレクション〉、2000年5月1日。ISBN 4-257-03592-7。

外部リンク

おえんさん - 日本映画データベース
おえんさん - allcinema
おえんさん - ウェイバックマシン（2016年3月28日アーカイブ分） - 東宝WEB SITE 資料室
おえんさん - KINENOTE
Oen-san - IMDb（英語）

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