お笑いカラー寄席

お笑いカラー寄席

『お笑いカラー寄席』は、日本テレビによって制作され、同系列局を通じて1966年4月20日から1969年10月1日まで毎週放送されていた演芸番組です。この番組は、当時の日本で高まっていた寄席への関心を背景に企画され、後楽園ホールから一般観客を招いての公開形式で届けられました。

番組概要とその特徴

この番組がスタートした1960年代後半は、テレビの普及とともに演芸、とりわけ寄席がかつてないほどのブームを迎えていました。そうした流れの中で、『お笑いカラー寄席』は寄席の雰囲気をそのままに、お茶の間へと届ける役割を担いました。番組は一回の放送がおおよそ一時間近くに及び、様々な演芸家が登場し、その芸を披露しました。

特筆すべき大きな特徴の一つは、その名の通り「カラー」で放送されていたことです。1966年当時、テレビ番組のカラー化はまだ初期段階にあり、カラー放送を実施している番組はごく少数でした。そのような時代にあって、この番組が積極的にカラーを採用したことは、演芸の華やかさや衣装の色合いなどをより鮮やかに視聴者に伝える上で、画期的な試みであったと言えます。

また、番組では演芸の披露だけでなく、客席に各界からゲストを招き、演芸に対する思いやエピソードなどを語ってもらう時間も設けられていました。これにより、演芸そのものだけでなく、それを取り巻く文化的な側面や、著名人の演芸観に触れる機会も提供されました。

放送期間と時間の変遷

『お笑いカラー寄席』の放送時間は、番組の歴史の中で一度変更されています。番組開始当初の1966年4月20日から同年11月9日までは、毎週水曜日の21時30分から22時26分までの時間帯で放送されていました。

その後、1966年11月16日からは放送時間が変更となり、毎週水曜日の20時00分から20時56分に移動しました。この時間帯は、日本テレビ系列でプロ野球ナイター中継が組まれることが多く、ナイター中継（当時は20時00分から21時26分まで放送されることが一般的でした）がある週には、番組は休止となりました。

番組を彩った司会者たち

番組の進行役としては、複数のコンビが担当しました。主な司会者としては、当時人気を博していた漫才コンビの獅子てんや・瀬戸わんやと、晴乃チック・タックが務めました。

特に、初回放送では、晴乃チック・タックの一人であるチック氏が都合により出演できなかったため、その師匠にあたる晴乃ピーチク・パーチクが代わりに司会を担当するというエピソードもありました。

ネット局

『お笑いカラー寄席』は、日本テレビを制作局として、以下の系列局に同時ネットで放送されていました。放送時間は、前述の変更に準じ、全てのネット局で同じ時間帯に放送されていました。

日本テレビ（制作局）
札幌テレビ
青森放送
秋田放送
山形放送
北日本放送
北陸放送
福井放送
山梨放送
名古屋放送
読売テレビ
日本海テレビ
西日本放送
広島テレビ
山口放送
四国放送
南海放送
高知放送

この番組は、当時の寄席ブームを背景に、カラー放送という先進的な試みを取り入れながら、多くの演芸ファンに楽しみを提供したテレビ番組として記憶されています。

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