ぐんネット

ぐんネット

ぐんネットは、群馬県前橋市、高崎市、渋川市を発着するバス事業者で共通利用できた磁気式プリペイドカードです。正式名称は「群馬県共通バスカード」で、愛称の「ぐんネット」は一般公募によって決定しました。

導入と終了

1994年4月1日に、関越交通が県内で初めてバスカードを導入したのが始まりです。その後、2000年12月12日に同社の方式を共通化し、関越交通、群馬バス、群馬中央バス、日本中央バス、永井運輸の5社で運用が開始されました。2002年からは上信電鉄も加わりました。しかし、ICカードPASMO・nolbéの導入に伴い、2023年3月31日をもって多くの路線で利用が終了し、残った一部路線も2024年1月31日に利用を終えました。

カードのデザインには、群馬県のマスコットである「ぐんまちゃん」が描かれており、地域に親しまれていました。

カードの種類と特徴

ぐんネットは、回数乗車券として扱われ、1,000円券（利用額1,100円）、3,000円券（同3,550円）、5,000円券（同6,050円）の3種類がありました。3,000円券と5,000円券は、他地域で利用されていたバス共通カードよりもプレミアムが多く設定されていました。ただし、バス共通カードとの相互利用はできませんでした。

また、65歳以上の方を対象とした「敬老カード」も用意されており、こちらは発行する自治体によって販売金額が異なっていました。

利用方法

「群馬県共通バスカード取扱車」の表示がある一般路線バスで利用できました。小児運賃や複数人での利用、障害者割引を利用する場合は、乗車前に乗務員に申告する必要がありました。乗車時と降車時にカードリーダーに通して利用します。群馬県のバスでは、後扉から乗車し、前扉から降車する方式が一般的で、乗車時に後扉付近のカードリーダー、降車時に運賃箱のカードリーダーにカードを通します。

利用可能だったバス事業者

一般路線バス

関越交通
群馬バス
群馬中央バス
日本中央バス
永井運輸（永井バス）
上信電鉄（上信電鉄バス）

コミュニティバス

ぐるりん（高崎市）※新町循環線、外来センター線を除く
はるバス（榛名地域）
マイバス（前橋市）
渋川タウンバス（渋川市）※日本中央交通が受託運行

尾瀬カード

関越交通専用の「尾瀬カード」というバスカードも存在しました。発売額3,000円で4,350円分利用でき、ぐんネットよりも割引率が高かったのが特徴です。ただし、利用できる路線が限定されており、主に利根・沼田地域と前橋・渋川地区の一部区間で利用可能でした。尾瀬カード適用路線ではぐんネットも利用できましたが、ぐんネットの販売は行っていませんでした。尾瀬カードにも敬老カードが設定されており、発行自治体によって販売金額が異なりました。

尾瀬カードは、ICカードへの移行に伴い、2023年3月31日に販売を終了し、一部を除き2024年1月31日に利用を終了しました。利根沼田地区の一部の路線では、ICカード導入準備のため、同年3月17日まで利用できました。

ICカードへの移行

ぐんネット導入事業者のうち、関越交通は2020年4月1日に一部路線でICカード乗車券「PASMO」を導入しました。その他の事業者では、2022年3月12日よりJR東日本の「Suica」と連携した地域連携型ICカード「nolbé」を導入しました。このICカード導入に伴い、ぐんネットは2022年3月31日に販売を終了し、2023年3月31日に利用終了となりました。ただし、日本中央バスが運行する多野藤岡地域代替バス奥多野線については、2023年7月31日に販売を終了、2024年1月31日に利用終了となりました。

参考資料

バスマガジン vol.12「おじゃまします バス会社潜入ルポ 関越交通」

関連項目

路線バス
乗車カード
バス共通カード
* プリペイドカード

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