しまんと (列車)

特急「しまんと」：四国を縦断する風光明媚な特急列車

「しまんと」は、四国旅客鉄道（JR四国）と土佐くろしお鉄道が共同で運行する特急列車です。香川県高松駅から出発し、高知県高知駅、中村駅、宿毛駅へと四国を縦断する路線を、予讃線、土讃線、中村線、宿毛線を経由して運行しています。本州には乗り入れず、四国独自の美しい自然を満喫できる旅路として知られています。瀬戸内海の穏やかな景色から、太平洋の雄大な波、吉野川の渓谷美など、変化に富んだ車窓風景が魅力です。特に吉野川沿いの大歩危・小歩危峡谷は、その壮大な景観で多くの乗客を魅了しています。

誕生から現在まで

1988年4月10日、瀬戸大橋線の開通に伴い、それまで高松～高知・中村間を結んでいた特急「南風」の一部が高松発着のまま残され、「しまんと」として運行を開始しました。列車名は、高知県南西部を流れる四万十川に由来しています。当初は3往復でしたが、その後、急行「土佐」「あしずり」を格上げ編入するなど、運行本数は変遷を繰り返してきました。

現在の運行状況

2024年3月現在、「しまんと」は、高松～高知間を3往復、高松～中村間を下り1本、宿毛～高松間を上り1本運行しています。所要時間は、高松～高知間が最短2時間11分、高松～中村間が約4時間、宿毛～高松間が約4時間22分です。

JR四国は土讃線の特急列車を岡山駅発着の「南風」にシフトする傾向があり、「しまんと」の一部列車は宇多津駅や多度津駅で「南風」と併結運転されています。併結時は原則として「しまんと」が高松側、「南風」が高知側に連結されます。そのため、高知方面行きでは「南風」が先に駅に到着し、「しまんと」が駅手前で待ち合わせる運行形態となります。

ゴールデンウィーク、お盆、年末年始などの多客期には、状況に応じて「しまんと」の全車両を「南風」として岡山駅発着に変更し、高松～宇多津・多度津間を臨時「しまんと」として運行する場合もあります。この場合、宇多津駅または多度津駅で乗り換えが必要です。

停車駅

主な停車駅は、高松、坂出、丸亀、多度津、善通寺、琴平、阿波池田、大歩危、大杉、土佐山田、後免、高知です。一部列車は宇多津駅を通過します。さらに、中村駅、宿毛駅へ向かう列車も存在し、これらの駅への乗り入れは運行本数に限りがあります。

使用車両

現在、高松運転所、高知運転所、土佐くろしお鉄道中村車両基地所属の2700系気動車が使用されています。かつては2000系、キハ181系なども使用されていましたが、2021年3月からは全列車が2700系に統一されました。

多客期の臨時列車

多客期には高松～宇多津・多度津間で臨時「しまんと」が運行され、車両は2700系以外の気動車（キハ185系など）が使用されることもあります。過去には8000系電車や8600系電車、2600系気動車も使用された記録があります。

沿革

「しまんと」は、瀬戸大橋線開通を機に誕生し、運行開始当初は3往復でした。その後、運行本数の増減や併結運転の開始・変更、車両の更新など、様々な変化を経て現在の運行形態に至っています。宿毛線への乗り入れは、開業当初から行われていましたが、その後一時中断し、2024年3月のダイヤ改正で再び宿毛駅への乗り入れが復活しました。

まとめ

「しまんと」は、四国の美しい自然を満喫できる風光明媚な特急列車です。運行形態や停車駅、使用車両など、その歴史も興味深いものです。四国旅行の際には、ぜひ「しまんと」を利用して、忘れられない旅の思い出を創造してみてはいかがでしょうか。

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