のと里山海道

のと里山海道

のと里山海道は、石川県金沢市から能登半島を縦断し、鳳珠郡穴水町に至る主要地方道です。総延長は約88kmにおよび、能登地方の主要な交通路として機能しています。かつては能登有料道路として知られていましたが、2013年に無料化され、地域住民や観光客にとってより利用しやすい道路となりました。

概要

のと里山海道は、石川県道60号金沢田鶴浜線と石川県道1号七尾輪島線の一部、そして国道470号能越自動車道穴水道路で構成されています。

金沢市と能登半島を結ぶ大動脈であり、沿線には美しい海岸線や里山の風景が広がります。この道路は、かつて能登海浜道路や能登半島縦貫有料道路として建設されましたが、後に能越自動車道の一部として組み込まれました。1987年には「日本の道100選」にも選定されています。

路線データ

起点
千鳥台出入口（石川県河北郡内灘町）
粟崎IC（石川県金沢市）
終点
穴水IC（石川県鳳珠郡穴水町）
のと里山空港IC（石川県輪島市）
延長
82.2 km（穴水道路を含まない）
88.4 km（穴水道路を含む）

道路の構成

金沢田鶴浜線

千鳥台出入口から徳田大津ICまで、および粟崎ICから大根布JCTまでの区間は、石川県道60号金沢田鶴浜線です。この区間は、能登海浜道路として建設され、後に地域高規格道路に指定されました。砂丘地帯を通過するため、建設時には浸食対策や遺跡保存などに配慮した設計がなされました。

七尾輪島線

徳田大津ICから穴水ICまでの区間は、石川県道1号七尾輪島線です。この区間は能登半島縦貫有料道路として建設され、後に能越自動車道の現道活用区間となりました。丘陵地帯を通過するため、切土や盛土のバランスを調整して建設されました。

穴水道路

のと里山空港ICから穴水ICまでの区間は、国道470号能越自動車道穴水道路です。この区間は、能越自動車道の一部として整備され、地域間の移動を円滑にする役割を担っています。

インターチェンジなど

のと里山海道には、多数のインターチェンジ（IC）やジャンクション（JCT）が設置されており、能登半島各地へのアクセスを向上させています。

主なインターチェンジ

千鳥台出入口
内灘IC
粟崎IC
高松IC
今浜IC
千里浜IC
柳田IC
上棚矢駄IC
西山IC
徳田大津IC
横田IC
県立看護大IC
越の原IC
穴水IC
のと里山空港IC

歴史

能登有料道路時代

1982年に全線開通した能登有料道路は、能登海浜道路と能登半島縦貫有料道路を合わせたものでした。当時は地方道路公社が運営する有料道路としては日本最長であり、地域交通の重要な役割を担っていました。しかし、1985年と2007年には豪雨災害や能登半島地震に見舞われ、大きな被害を受けました。

無料化

2013年、北陸新幹線の金沢延伸を見据え、地域活性化を目的として無料化が決定。これに伴い、道路名称が「のと里山海道」に変更されました。無料化によって、交通量が増加し、地域住民や観光客にとってより使いやすい道路となりました。また、これにより石川県道路公社は廃止されました。

年表

1963年：金沢七尾間道路調査開始
1969年：能登海浜道路建設計画発表
1973年：能登縦貫有料道路、有料事業認可
1982年：能登有料道路全線開通
1987年：「日本の道100選」に選定
2007年：能登半島地震で被災
2013年：無料化、名称を「のと里山海道」に変更
2024年：能登半島地震で被災

料金（能登有料道路時代）

能登有料道路時代には、本線上に4か所、ランプウェイ部に2か所の料金所がありました。普通自動車で全線を利用した場合、合計1,180円の料金が必要でした。料金所では現金、回数券、石川のみちカードが利用できました。

路線状況

のと里山海道は、海岸線沿いの平坦な区間と、丘陵地帯を走る区間があります。海岸線沿いは、美しい日本海の景色を眺めながらドライブできます。丘陵地帯は、急勾配やカーブが多い区間もあります。沿線には、道の駅やパーキングエリアが設けられており、休憩や観光を楽しむことができます。

重複区間

E41 能越自動車道（徳田大津JCT - 穴水IC）

車線・最高速度

暫定2[[車線]]区間：70km/h
4車線区間：80km/h（一部区間で60km/h）
ゆずりレーンあり

道路施設

サービスエリア
高松SA
別所岳SA
パーキングエリア
西山PA

交通量

無料化以降、交通量は増加傾向にあり、特に観光シーズンは多くの車で賑わいます。

地理

のと里山海道は、内灘ICから柳田ICまでは海岸沿いを、柳田ICから穴水ICまでは内陸部を走ります。海岸線沿いの区間は、砂丘や青松林が続く美しい景色が広がります。また、柳田ICから北は緑豊かな丘陵地帯となり、海岸線とはまた違った景観を楽しむことができます。

通過する自治体

石川県

金沢市
河北郡内灘町
かほく市
羽咋郡宝達志水町
羽咋市
羽咋郡志賀町
七尾市
鳳珠郡穴水町
（輪島市）

路線バス

北鉄奥能登バスが、内灘ICから穴水ICの間を運行しています。

今後の展望

のと里山海道では、4車線化事業が進められており、より安全で快適な道路環境が整備される予定です。また、地域活性化のための取り組みも進められており、能登地方の観光や地域交通を支える重要な道路としての役割が、今後も期待されています。

参考文献

「日本の道100選」研究会 著、国土交通省道路局（監修） 編『日本の道100選〈新版〉』ぎょうせい、2002年6月20日。
『北國新聞に見るふるさと110年（下）』北國新聞社、2003年8月5日。
『石川の有料道路のあゆみ〜有料道路事業42年間の記録〜』石川県土木部道路課、2013年6月。
『石川県史 現代篇 6』石川県、1995年3月。
『道路現況調書』 石川県土木部道路整備課、2010年
『道路現況調書』 石川県土木部道路整備課、2008年
『石川の有料道路のあゆみ』 石川県土木部、1990年
『ナビング全日本ロードマップ』国際地学協会. (1992年9月).
『スーパーマップル 北陸道路地図』昭文社. (1998年9月第1版10刷).
『マップル 全日本道路地図』昭文社 (2000年7月2版10刷).

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