ふえはうたう

NHK教育テレビの長寿音楽番組『ふえはうたう』

『ふえはうたう』は、1974年4月9日から1997年3月10日までNHK教育テレビジョンで放送されていた、小学校3年生向けの音楽教育番組です。23年間にわたり、多くの子どもたちに親しまれました。

この番組は、当時「笛」と呼ばれていたリコーダーの演奏を学ぶことを目的としていました。文部省の小学校学習指導要領に沿って、リコーダーの基礎から応用までを丁寧に指導する内容で、子どもたちが楽しみながら音楽に触れられるよう工夫されていました。

番組の歴史と変遷

1973年度までは、小学校向けの音楽教育番組として、低学年向けに「うたいましょうききましょう」、中学年向けに「みんなの音楽」、高学年向けに「音楽教室」が放送されていました。1974年度からは、対象を1年生から3年生に集約し、各学年ごとに1本の音楽番組を放送することになりました。その際に、「うたいましょうききましょう」の時間帯に1年生向け「ワンツー・どん」、「みんなの音楽」の時間帯に2年生向け「うたって・ゴー」、そして「音楽教室」の時間帯に3年生向けとして『笛はうたう』（翌年に『ふえはうたう』に改題）がスタートしました。

番組は、男女ペアの出演者が現役のリコーダー奏者である上杉紅童（1985年度まで）や吉沢実（1986年度以降）にリコーダーの奏法を学びながら上達していくというコンセプトでした。初代出演者のはせさん治は、コミカルな演技で人気を集めました。また、はせのパートナーであった大杉久美子はアニメ歌手、石毛恭子は「ママとあそぼう!ピンポンパン」の2代目おねえさんとして知られていました。その後の女性出演者は、音大卒業生で番組を機に歌手デビューする人が多くいました。男性では、クラシックギター奏者の藤井秀亮が、「ギターは上手だが笛は苦手」というユニークなキャラクターで出演していました。番組後半期には、人気声優の難波圭一と関俊彦がリレーで出演し、アニメファンからも注目されました。初期には男女ペアと上杉によるリコーダーアンサンブルが中心でしたが、藤井・長島ペアの時代から東京放送児童合唱団の出演が増え、リコーダー演奏や合唱も番組に取り入れられるようになりました。

吉沢実が指導を担当するようになってからは、土笛の作成など、吉沢が推進するリコーダー教育の実践発表も番組で行われました。

番組の終了とその後

1997年度には、対象を3・4年生に拡大した新番組「トゥトゥアンサンブル」に引き継がれ、『ふえはうたう』は23年の歴史に幕を閉じました。同時期に放送されていた「ワンツー・どん」や「うたって・ゴー」が1年前に終了し、2年前に終了した4年生向けの「ゆかいなコンサート」の後継番組が求められていたことも、番組終了の要因となりました。

放送時間と出演者

番組は、主に午前中に放送されていましたが、別の時間帯に再放送されることもありました。番組には、様々な出演者が登場し、リコーダーの演奏だけでなく、歌やダンス、寸劇などを通して、子どもたちに音楽の楽しさを伝えていました。主な出演者は以下の通りです。

はせさん治
大杉久美子
石毛恭子
藤井秀亮
長島吉子
難波圭一
関俊彦
上杉紅童
吉沢実
東京放送児童合唱団

1987年度以降の放送日程

NHKクロニクルによると、1987年4月以降の放送日程は、ほぼ隔年で新録が放送され、翌年は前年度の再放送となっていました。リコーダー演奏のステップは確立されており、放送順の変更はほとんどありませんでした。同一タイトルでも、出演者が新録ごとに交代するため、演奏曲など内容は異なっていました。

関連情報

番組に関する詳しい情報は、以下の外部リンクから確認できます。

笛はうたう - NHK放送史
Recorder Home Page Japan Minoru Yoshizawa 吉澤実 - 「media」ページに本番組に関する記述があります。


『ふえはうたう』は、長年にわたり子どもたちに音楽の楽しさを伝えてきた、教育テレビ史に残る名番組でした。

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