みうら型輸送艦

みうら型輸送艦について

みうら型輸送艦（みうらがたゆそうかん、英語: Miura-class landing ship tank）は、海上自衛隊で運用されていた艦艇の一種であり、その設計と運用において重要な役割を果たしました。この艦級は、第4次防衛力整備計画に基づいて、昭和47年度から49年度にかけて3隻が建造されました。

来歴

海上自衛隊の輸送・揚陸艦艇部隊は、1955年に始まりました。その際、アメリカ海軍から供与された汎用揚陸艇（LCU）を用いて舟艇隊を編成しました。1961年には、退役したアメリカ海軍のLST-542級戦車揚陸艦（LST-1級最後期型）が供与され、これを改造しておおすみ型輸送艦として運用が開始されました。

おおすみ型は大変実用的な揚陸艦でしたが、1944年から1945年にかけて建造されたため、昭和40年代の終わりには耐用年数に達することが予見されていました。そのため、新しい艦の建造が急務となり、1,500トン型輸送艦（45LST）の設計を拡張して2,000トン型の輸送艦としてみうら型が誕生しました。

設計

みうら型の設計は、あおすみ型と同じくLST-542級戦車揚陸艦を参考にしています。艦の構造は、兵員や車両の揚陸を容易にするために、艦首部には観音開きの門扉と折りたたみ式の道板を備えています。この構造により、艦は海岸に擱座し、簡単に物資を揚陸できる仕組みになっています。

上部の第三甲板の約2/3は車両甲板として使用され、74式戦車を最大10両搭載することが可能です。艦全体の載荷重量は1,800トンであり、大量の物資を輸送できる能力を持っています。また、揚陸部隊として200名が乗艦できる居住区も設けられています。

この艦級では上陸用舟艇の運用能力が強化され、艦橋構造物前方には機動揚陸艇（LCM）を2隻搭載するためのスペースが確保されています。揚降のためにガントリークレーンが設置されており、これにより上甲板はさまざまな貨物の揚降に使用されるカーゴハッチが用意されています。

装備

みうら型は装備面でも大幅な強化がされています。対空レーダーにはOPS-14、対水上レーダーにはOPS-18が搭載され、護衛艦としての機能も兼ね備えています。また、艦首上甲板には68式50口径76ミリ連装速射砲や、艦尾に40ミリ連装機関砲が装備されています。

さらに、艦は強化された防空能力を持ち、陸上自衛隊からの要望に応じた装備が施されています。特に68式50口径76ミリ連装速射砲は、各艦に異なる射撃指揮装置と共に搭載されており、高い防衛力を発揮します。

同型艦と退役

みうら型の艦は、2代目おおすみ型の運用開始に伴い、徐々に退役していきました。最終的には2002年6月28日に最後の艦「さつま」が除籍され、運用が終了しました。その結果、あつみ型よりも早く運用を終了したことになります。

登場作品

みうら型は、アニメや漫画などの作品にも登場しています。代表的な作品には、漫画『ジパング』の「ジパング外伝 守るべきもの」での登場や、書籍『ああ、堂々の自衛隊』、また『PKO軍、関ヶ原合戦に突入す』などがあります。ゲームの『大戦略シリーズ』でも登場するなど、幅広いメディアでその存在が紹介されています。

みうら型輸送艦は、海上自衛隊の海上輸送能力と防送能力を支えた重要な艦艇として知られています。

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