みなと通

みなと通：大阪港と都市中心部を繋ぐ歴史と現代

みなと通は、大阪府大阪市を東西に貫く主要な道路です。大阪港と大阪市中心部を結ぶ重要な役割を担い、古くから大阪の発展に貢献してきた歴史を持つ幹線道路となっています。

概要

全長約6kmの道筋は、大阪税関前から川口交差点までを走り、国道172号の一部区間として指定されています。東部は中央大通とほぼ平行に走り、西部では片側3車線の6車線道路へと広がり、交通の円滑化に配慮した設計となっています。特に三先1交差点以西の約2200m区間には、歩道と分離された自転車道が整備され、自転車利用者の安全確保にも努められています。

大阪シティバス88号系統（天保山-大阪駅前）がほぼ全線を運行しており、朝潮橋交差点以西では地下鉄中央線の高架が中央分離帯上部を通過しています。鉄道駅からのアクセスは、朝潮橋駅と大阪港駅を除いてやや不便な点も特徴です。

歴史

みなと通の歴史は、1897年（明治30年）に始まります。大阪港の第1次修築工事に伴い、新大阪港（築港）と旧大阪港（富島、現在の川口）、そして当時の大阪府庁と大阪市庁のあった江之子島を結ぶ道路として、「築港大道路」の建設が計画されました。

1903年（明治36年）3月、現在の九条新道交差点までが開通し、同年9月には大阪市電築港線が運行を開始しました。この築港大道路は、大阪で最初の近代幹線道路であり、同時に日本初の公営路面電車が走った道路としても歴史的に重要な意味を持っています。

建設にあたっては、千舟橋、朝潮橋、夕凪橋、磯路橋、玉藻橋など複数の橋梁が架設されました。現在では千舟橋のみが残存していますが、これらの橋梁の名は、現在の町名、駅名、交差点名などに名残として受け継がれています。

築港大道路の開通は、それまで新田地帯だった大阪港周辺地域の開発を促進し、住宅地、娯楽施設（市岡パラダイスなど）、大阪市立運動場（現在の八幡屋公園）などの建設が相次ぎました。

その後、1920年（大正9年）の旧道路法で国道37号線に指定され、1953年（昭和28年）には二級国道172号大阪港線、1965年（昭和40年）には一般国道172号となりました。同年には、国道172号の渋滞緩和を目的として中央大通の港区および西区区間が開通しています。

沿線情報

みなと通沿線には、大阪港、大阪港駅をはじめ、天保山ハーバービレッジ、海遊館、天保山大観覧車、大阪文化館・天保山、天保山マーケットプレース、ホテルシーガルてんぽーざん大阪、天保山公園、八幡屋公園、大阪プール、大阪市中央体育館といった観光施設やレジャー施設が集中しています。

また、朝潮橋駅、市岡下水処理場、大阪府立市岡高等学校などの公共施設に加え、西区側には大阪市交通局、フォレオ大阪ドームシティ、京セラドーム大阪、阪神なんば線九条駅、ナインモール九条（九条新道商店街・バファロード）、千代崎商店街、松島公園、旧川口居留地・日本聖公会川口基督教会といった商業施設や公園、歴史的建造物なども存在します。

交通量

2005年度のデータによると、大阪市港区港晴4丁目で21,424台、大阪市西区九条南1丁目で20,915台の平日24時間交通量を記録しています。これは、みなと通が大阪における重要な交通動脈として機能していることを示しています。

まとめ

みなと通は、単なる道路としてだけでなく、大阪港の開発と都市発展の歴史を体現する重要なランドマークです。歴史的背景と現代の交通インフラとしての役割を併せ持ち、これからも大阪の街の重要な部分を担っていくことでしょう。

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