アウディ・200

アウディ 200：アウディ100の上級モデルとして君臨した高性能車

アウディ 200は、ドイツの自動車メーカー、アウディがかつて製造していた乗用車です。アウディ 100をベースに開発され、その上級モデルとして位置付けられていました。1979年から1991年まで生産され、スポーティな走りや高級感を両立したモデルとして、多くのファンを魅了しました。

初代 C2系 (1979年 - 1984年)

初代モデルとなるC2系は、1979年にデビュー。アウディ 100のシャシーを改良し、直列5気筒2.1リッターエンジンを搭載していました。自然吸気エンジンとターボチャージャー付きエンジンの2種類がラインナップされ、ターボモデルは170馬力という、当時としては高い出力を誇っていました。

駆動方式は前輪駆動で、大型ボディにターボエンジンを搭載した組み合わせは、当時としては非常にユニークなものでした。内外装は100よりも高級感が増し、角型4灯式ヘッドライトや15インチアルミホイールなどが特徴でした。

性能面では、ターボモデルは2.8リッタークラスの自然吸気エンジン車に匹敵する動力性能を発揮。メルセデス・ベンツ 280EやBMW 528i、ボルボ 260シリーズといった、当時のライバル車種と競合していました。日本には1981年からターボモデルが輸入されましたが、排ガス規制の影響で最高出力は135馬力に抑えられていました。また、3速ATしか設定されていなかったことも、当時の日本市場においては不利な点でした。

2代目 C3系 (1984年 - 1991年)

1984年に登場した2代目C3系は、空力性能に優れたCd値0.33という優れたスタイリングが特徴でした。エンジンは2.1リッターと2.2リッターの直列5気筒エンジンが用意され、自然吸気とターボモデルがラインナップされました。その後、DOHC 20バルブの2.2リッターエンジンを搭載した「200 クワトロ 20V」も追加され、最高出力220馬力という、さらに高性能なモデルも登場しました。ブレーキは全車4輪ディスクブレーキが採用されるなど、安全性も向上していました。

アメリカ市場では「5000」という名称で販売されていましたが、オートマチック[[トランスミッション]]仕様の暴走事故が問題になったことから、1989年以降は世界共通で「200」に改名されました。

1991年にはフルモデルチェンジが行われ、アウディ100はC4系に移行。アウディ200の車名は廃止され、その役割は新たに誕生したアウディS4が引き継ぎました。

モータースポーツでの活躍

アウディ200クワトロは、1987年からWRCグループAやIMSA GTOクラスに参戦しました。グループBとグループSが廃止されたことを受け、アウディ・モトールシュポルトはWRCグループAに200クワトロで参戦。ハンヌ・ミッコラやヴァルター・ロールといったドライバーが活躍し、サファリラリーで最後の勝利を収めました。多くのプライベーターも200クワトロで参戦し、その高いポテンシャルを示しました。

まとめ

アウディ200は、優れた動力性能と高級感を兼ね備えた、アウディ100の上級モデルとして、時代の先端を走り続けました。WRC参戦など、モータースポーツでの活躍も記憶に残るものです。現在では生産終了していますが、その存在感は今もなお、多くの自動車ファンに語り継がれています。

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