アックアック

アックアック：アメリカ競馬史に名を刻んだ名馬

アックアック (Ack Ack、1966年 - 1990年) は、アメリカ合衆国で活躍した競走馬にして、種牡馬としての成功も収めた伝説的な馬です。その名は高射砲を意味する「Ack Ack」に由来しています。1970年前後のアメリカ競馬界を席巻した彼の活躍と、その後の種牡馬としての貢献は、アメリカ競馬史に大きな足跡を残しました。

華麗なる競走馬時代

2歳時のアックアックは、ベルモントパーク競馬場でデビュー。3戦1勝という成績で2歳シーズンを終えます。しかし、3歳になるとその真価を発揮し始めます。一般戦を連勝で飾り、重賞初制覇となるバハマズステークスを制覇。ダービートライアルステークスではレコードタイムで圧勝するなど、その才能を遺憾なく発揮しました。陣営の判断によりマイル路線へと進路変更しますが、ウィザーズステークス、アーリントンクラシックステークスと勝利を重ね、3歳シーズンを終えました。

4歳からは拠点を西海岸に移し、新たな挑戦を始めます。西海岸での競走生活も順風満帆とはいかず、初戦は4着に敗れるものの、その後は4連勝を達成。さらに5歳では円熟期を迎え、パロスヴェルデスハンデキャップで2着に敗れるものの、サンカルロスハンデキャップ、サンパスカルハンデキャップ、サンアントニオハンデキャップと立て続けに勝利。そして、自身最長の距離となるサンタアニタハンデキャップでは強豪クーガーを破って優勝しました。

その後もその勢いは衰えることなく、ハリウッドエクスプレスハンデキャップではレコードタイムでの勝利を収めます。そして、初の芝レースとなったアメリカンハンデキャップでもレコードタイムで圧勝。引退レースとなったハリウッドゴールドカップでは、自身初となる134ポンドという重い斤量を背負いながらも、見事に1着でゴールしました。距離、芝、ダートを問わない圧倒的な強さで、1971年の年度代表馬、最優秀古馬、最優秀スプリンターの3冠を獲得するという偉業を達成しました。

種牡馬としての成功とヒムヤー系の隆盛

輝かしい競走馬生活に幕を閉じたアックアックは、クレイボーンファームで種牡馬として繋養されます。そして、種牡馬としても大成功を収め、多くの優秀な産駒を輩出しました。中でもブロードブラッシュは北米リーディングサイアーに輝き、当時衰退しつつあったヒムヤー系を代表する存在へと押し上げました。その他にも、ユースなど多くの活躍馬を輩出し、約600頭の産駒のうち54頭がステークス競走を制覇しました。さらに、母の父（ブルードメアサイアー）としても優秀で、95頭のステークス競走優勝馬を輩出するなど、その血統は現代競馬にも大きな影響を与え続けています。

1990年にこの世を去ったアックアックは、クレイボーンファームに埋葬されました。その功績は高く評価され、1986年にはアメリカ競馬殿堂入りを果たし、1999年にはブラッド・ホース誌による20世紀のアメリカ名馬100選で44位にランクインするなど、アメリカ競馬史にその名を刻んでいます。現在でも、アックアックの名を冠したハンデキャップがサンタアニタパーク競馬場とチャーチルダウンズ競馬場で開催されているなど、彼の偉大なる功績は後世に語り継がれています。

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