アデレード (軽巡洋艦)

HMAS アデレード (I)

HMASアデレードは、オーストラリア海軍に所属する軽巡洋艦で、バーミンガム級に分類されます。この艦名は、オーストラリアのサウスオーストラリア州の州都、アデレードにちなんで名付けられました。アデレードは、他のタウン級軽巡洋艦とは異なり、第四グループに分類される新しい設計で建造され、その際の試験的な特徴が際立っています。

概要

アデレードの建造は、オーストラリアのコッカトー島にある造船所で行われ、第一次世界大戦の影響により工事が遅延した結果、就役が1922年にずれ込んでしまいました。彼女の艦形は長船首楼型船体を採用しており、前方に傾斜したクリッパー型の艦首を持ち、主砲は防盾の付いた単装砲架で2基配置されています。艦橋には見張り所を備えた三脚式の前部マストと、左右には艦載艇置き場があり、艦載艇は片舷3組ずつ合計6組で運用されました。

兵装

アデレードの主砲には、「Mk XII 1913年型 15.2cm速射砲」を採用しており、最大射程は12,344メートルです。砲架の俯仰能力は15度から横方向の旋回角度は240度ですが、上部構造物による射界の制限があります。また、対水雷艇用として「Mk I 1910年型 7.6cm速射砲」を搭載しており、近接火器としては「ヴィッカース 1900年型 Mk I 4.7cm速射砲」を使用し、追加で53.3cmの魚雷発射管も装備されています。

アデレードは1938年から1939年にかけて近代化改装を受け、対空火器として10.2cm単装高角砲を追加しました。1942年からはエリコン2cm単装機銃やレーダーも搭載され、装備が強化されました。

機関

艦の動力には、ヤーロー式重油専焼水管缶およびパーソンズ式直結タービンを使用し、最大出力は25,500馬力、速力は25.5ノットを発揮しました。近代化改装では、老朽化したボイラーを新型に交換し、出力は23,500馬力に低下しましたが、その結果、艦の煙突も3本に減少しました。

艦歴

アデレードは1915年に起工し、1918年に進水しました。その後の艤装作業は敵の攻撃により遅れ、「Long Delayed」の愛称で親しまれることになります。1922年に竣工し、同年8月に就役しました。1939年に予備役となった後、第二次世界大戦の勃発と共に再就役し、1940年にはニューカレドニアに派遣されました。

1942年5月には小型潜航艇による攻撃に遭遇し、同年11月にはドイツの封鎖突破船「Ramses」を発見し、撃沈する戦果を挙げました。この戦闘でアデレードは大きな被害を受けることなく無事でした。

戦後、アデレードは1946年に退役し、1949年に解体されました。アデレードの艦歴は、オーストラリア海軍の艦船の中でも重要な位置を占めており、その設計と運用の実績は今でも多くの人に語り継がれています。

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