アトリエ・ダンカン

アトリエ・ダンカン：舞台芸術を彩った制作会社

株式会社アトリエ・ダンカンは、かつて東京都渋谷区に本社を構え、日本の芸能界、特に舞台制作において重要な役割を果たした企業です。1979年2月5日、渡辺プロダクションでマネージャーを務めていた池田道彦と、女優の木の実ナナによって設立されました。アトリエ・ダンカンは、舞台・ミュージカル作品の制作と、所属タレントのマネジメントを主な事業として展開していました。

しかし、2014年2月1日、アトリエ・ダンカンは事業を停止し、事後処理を弁護士に一任。自己破産申請の準備に入り、同年2月28日には東京地方裁判所から破産手続開始の決定を受けました。長年にわたり日本のエンターテイメント業界、特に舞台芸術に貢献してきたアトリエ・ダンカンの終焉は、多くの関係者やファンに惜しまれました。

所属タレント

アトリエ・ダンカンには、数多くの才能ある俳優、脚本家、演出家が所属していました。以下は、2014年2月時点で所属していた主なタレントです。（）内は移籍先を示します。

木の実ナナ（ダンカンミュージック）
尾藤イサオ（ケーワン・プロモーション）
星野知子
杜けあき（モーリス）
石井一孝（キューブ）
駒田一（ビクターミュージックアーツ）
坂元健児（サーブプロモーション）
池田有希子（プランニングクレア）
福井晶一（プランニングクレア）
新納慎也（オスカープロモーション→ワタナベエンターテイメント）
西村直人 （融合事務所）
宮菜穂子 （Queen-B）
尾藤桃子
小此木麻里（グランジェット）
山崎育三郎（研音）
森脇史登（センスアップ）
ヨウスケ・クロフォード
上田悠介（芸能事務所ツインテール）
根本大介
皆本麻帆（プロダクション尾木）
千葉直生（ビクターミュージックアーツ）
フランク莉奈（ホリプロ）
梅田悠（元SDN48、サンミュージックプロダクション）
加藤雅美（元SDN48、フリー）
五木田岳彦(作曲家)
中島剛(ピアニスト)
東憲司(脚本家・演出家)
脚本家・演出家'>[鄭義信]
菅野こうめい(脚本家・演出家)（ビクターミュージックアーツへ移籍）

過去には、萩原健一、根津甚八、若松武史、森公美子、七瀬なつみ、森山未來など、数々の著名な俳優が所属していました。

プロデュース公演

アトリエ・ダンカンは、数多くの記憶に残る舞台作品をプロデュースしました。以下は、その主な公演の一部です。

SHOW GIRL（1974年 - 1988年）
小堺クンのおすましでSHOW（1985年 - ）
イカれた主婦（1988、1989、1990、1991年）
カンコンキンシアター（1989年 - ）
マランドロ (1990年)
阿OKUNI国（1990、1992、1993、1995、2003、2005、2007年）
バルセロナ物語 (1991年)
香港ラプソディー（1993年）
ラスト・チャンス・キャバレー（1994年)
ロス・タラントス ーバルセロナ物語ー (1998、2000年)
伝説の女優 (2002、2004、2006年）
8人の女たち (2004年)
アワ・ハウス（OUR HOUSE）(2006年)
志村魂（2006、2007、2008、2009、2010、2011、2012、2013年 ）
血の婚礼（2007年）
空中ブランコ（2008年）
ウエディング・ママ（2008年）
サ・ビ・タ〜雨が運んだ愛〜（2008、2010年）
サド侯爵夫人（2008年）
風が強く吹いている（2009年）
鴨川ホルモー（2009年）
夜は短し歩けよ乙女（2009年）
オペラ・ド・マランドロ（2009年）
トリツカレ男（2009年）
サロメ（2009年）
輝け!主婦バンド（2009年）
Duet For One（2010年）
リトル・ショップ・オブ・ホラーズ（2010年）
イカれた主婦-ANGRY HOUSEWIVES-（2010年）
ACT泉鏡花（2010年）
アジアン・スイーツ（2010年）
ヒロイン（2011、2012年）
ピンクスパイダー（2011年）
タンゴミュージカル ロコへのバラード (2011、2013年)
ピグマリオン（2011年）
青春音楽活劇 詭弁・走れメロス （2012年）
教授 （2013年）
しゃばけ（2013年）
ミュージカル 冒険者たち〜The Gamba 9〜 (2013年)
交響劇 船に乗れ！ (2013年)
七変化音楽劇 有頂天家族 (2014年)
* ミュージカル KACHI BUS (2014年)

これらの公演は、演劇界に多大な影響を与え、多くの観客を魅了しました。

関連書籍

池田道彦氏による著書『今日も舞台を創る プロデューサーという仕事』(2023年4月、岩波書店）ISBN 9784000615891が出版されています。この書籍では、舞台プロデューサーの仕事について深く掘り下げています。

アトリエ・ダンカンの活動は、日本の演劇史において重要な一章を刻んでいます。その功績は、今後も語り継がれていくことでしょう。

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