アポロ計画飛行種別一覧

1967年9月、ジョンソン宇宙センターのオーウェン・メイナードは、アポロ計画における有人月面着陸を達成するための段階的な飛行計画を提案しました。この計画は、各段階で特定の機器や飛行手順を試験し、その達成が次のステップへの移行条件となる厳格なものでした。

以下に、各段階の詳細を解説します。

A計画: サターン5型ロケットを使用し、無人のアポロ司令・機械船の性能を試験する飛行。アポロ4号と6号で実行されました。
B計画: 無人のアポロ月着陸船を打ち上げ、その性能を試験する飛行。アポロ5号で実行されました。
C計画: 有人の司令・機械船を地球周回低軌道に打ち上げ、性能を試験する飛行。アポロ7号で実行されました。
D計画: 有人の司令・機械船と着陸船を地球周回低軌道に打ち上げ、性能を試験する飛行。当初はアポロ8号で予定されていましたが、アポロ9号で実行されました。
E計画: 有人の司令・機械船と着陸船を高度6,500kmの地球周回中軌道に打ち上げ、性能を試験する飛行。しかし、着陸船の開発遅延により中止されました。
C'計画: E計画中止に伴い、アポロ8号は司令・機械船のみで月を周回する「C'計画」として実行されました。
F計画: 有人の司令・機械船と着陸船を使用し、月面着陸の予行演習を行う飛行。アポロ10号で実行されました。
G計画: 初の有人月面着陸を目的とする飛行。アポロ11号で実行され、歴史的な偉業を達成しました。
H計画: より正確な月面着陸を目指し、2日間の月面滞在と船外活動を行う飛行。アポロ12号と14号で実行されました。アポロ13号でも計画されていましたが、事故により中止となりました。
I計画: 司令・機械船が長期間月を周回し、搭載された科学機器モジュールを使用して月面を探査する計画。後にJ計画に統合されました。
* J計画: 拡張型着陸船、船外活動用特殊バイザー、月面車を使用し、3日以上の月面滞在を行う計画。アポロ15号、16号、17号で実行されました。

当初の計画では、15号がH計画、18号と19号がJ計画となる予定でしたが、アポロ計画が17号で中止されたため、15号がJ計画に昇格しました。これらの計画は、綿密な準備と段階的な検証を経て、アポロ計画の成功に大きく貢献しました。

もう一度検索