アメリカンナンバー

アメリカンナンバー（American Families）とは？

サラブレッドの血統をたどる上で、母系を分類する方法は非常に重要です。一般的に、世界中のサラブレッドの血統はイギリスのジェネラルスタッドブックに登録された牝系に遡りますが、北アメリカには、その記録にない独自の母系が存在します。アメリカンナンバー（American Numbers）、またはアメリカンファミリー（American Families）とは、そうした北アメリカのサラブレッドの母系を分類したものです。

これらの牝系は、血統登録上の問題（血統書の紛失など）により、ジェネラルスタッドブックに遡ることができないサラブレッドの中から、明確にサラブレッドの牝系として認められたものを指します。アメリカ合衆国で作成された「アメリカンスタッドブック」を元に番号が割り振られ、現在ではA1からA39までの39系統が公式に認められています。ただし、a40からa90までの牝系の存在も確認されています。

当初は血統記録の欠損からジェネラルスタッドブックへの遡及が不可能とされていましたが、多くのアメリカンファミリーは、実際にはイギリスのファミリーナンバーに繋がるものであると考えられています。例えば、A4号族はファミリーナンバー21号族に繋がるという説が有力視されています。

近年では繁殖牝馬の輸出入が盛んになったため、アメリカンファミリーの血を引く競走馬は北アメリカ以外の国々にも広がりを見せています。日本でも多くのアメリカンファミリーの競走馬が活躍しており、その代表例として、ヤマニンパラダイス、ノーリーズン、トランセンド、ワンアンドオンリー、メイショウハリオ、テーオーロイヤル（いずれもA4）、ストロングリターン（A13）、タカエノカオリ（A31）、タカオー（A39）などが挙げられます。これらの馬は、それぞれの系統の特徴を受け継ぎ、日本競馬に大きな足跡を残しました。

アメリカンファミリーの基礎牝馬

アメリカンファミリーは、それぞれの系統の基礎となる牝馬によって定義されます。現在公式に認められているA1からA39までの各系統には、それぞれ固有の基礎牝馬が存在し、その子孫がその系統に属することになります。これらの基礎牝馬は、アメリカンスタッドブックに登録され、系統の維持に重要な役割を果たしています。 A40以降の系統については、公式な登録はされていないものの、存在が確認されており、今後の研究が待たれます。

アメリカンファミリーの重要性

アメリカンファミリーは、サラブレッドの血統研究において重要な役割を果たしています。これらの系統を調べることで、特定の系統に特有の能力や特徴を明らかにすることができ、より効果的な繁殖計画を立てることができます。また、アメリカンファミリーの血統を持つ競走馬の活躍は、その系統の優れた能力を示す証拠ともなります。

今後の展望

血統登録技術の進歩や、DNA解析技術の発展によって、今後さらに多くのアメリカンファミリーの血統が解明され、ジェネラルスタッドブックとの関連性が明らかになる可能性があります。また、アメリカンファミリーの血統を持つ競走馬の活躍も、今後も注目を集めるでしょう。

まとめ

アメリカンナンバー/アメリカンファミリーは、北アメリカのサラブレッドにおける独自の母系系統です。血統登録上の問題からジェネラルスタッドブックには遡れないものの、独自の系統として確立され、現在も多くの競走馬にその血を受け継がれています。日本でもその活躍が目覚ましく、今後の血統研究においても重要な位置を占める存在と言えるでしょう。

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