アラリス

アラリス（Alaris）

アラリスは、スペインの国営鉄道会社レンフェ（Renfe）が、首都マドリードとバレンシア地方の主要都市を結ぶために運行している列車サービスです。主に490系と130系の車両が使用されています。

歴史

1990年代半ば、レンフェは30年以上運行していた老朽化したタルゴIII（Talgo III）の置き換えを検討しました。既存の電化路線で高速運転が可能な新しい車両が求められ、入札の結果、アルストム（Alstom）とフィアット（Fiat）の企業連合が落札し、車体傾斜車両である490系10編成の導入が決定しました。

490系は、スイスのチザルピーノ（Cisalpino）で運行されているETR470やETR460をベースとした電車（EMU）編成です。アラリスは1999年2月16日に、マドリード - アルバセテ - バレンシア間で最高速度160～200km/hで運行を開始しました。

2009年からは、130系での運用も始まり、運行区間が拡大しました。アトーチャ駅（マドリード） - アルバセテ - バレンシア - サグント - カステリョン・デ・ラ・プラナ - ベニカシム・ガンディアの区間、そしてバルセロナ・サンツ駅 - サロウ - アルデア - ビナロス - ベニカルロ/ペニスコラ - オルペサ＝デ＝マール - ベニカシム - サグント - カステリョン・デ・ラ・プラナ - バレンシア - アリカンテ間など、複数の系統で運行されています。

編成

アラリスは、中距離列車サービスとして、航空路線のビジネスクラスにあたるプレフェレンテ（Preferente）と、エコノミークラスにあたるトゥリスタ（Turista）の2等級に分かれています。

プレフェレンテ: 2+1の座席配置で、リクライニングシートが装備されています。新聞、雑誌のサービス、おしぼり、飲み物のサービス、時間帯によっては軽食のサービスなど、航空路線を意識したサービスが提供されています。
トゥリスタ: 2+2の集団見合い配置です。

両クラスとも、天井にモニターが設置されており、無料のイヤホンで映画などを楽しむことができます。また、中間車にはカフェテリアも設置されています。

問題点

アラリスは1編成あたり3両の構成で、定員が160名と、以前のタルゴに比べて乗車定員が減少し、混雑や料金の値上げに対する批判も存在します。また、高速化されたものの、その効果が期待ほどではないという意見もあります。週末などの混雑期には、2編成を連結して運行されることもあります。

参考資料

世界の高速鉄道 三浦幹男・秋山芳弘著　ダイヤモンド社

外部リンク

Vídeo del Alaris a su paso por Alcázar de San Juan en YouTube
* Vídeo del Alaris a su paso por Castillejo-Añover en YouTube

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