アラン・ガルシア (競馬)

アラン・ガルシア：ペルーから世界へ羽ばたいた名騎手

アラン・ガルシアは、ペルーの首都リマで1985年10月2日に生まれました。祖父と父も騎手だったというサラブレッドの家系に育ち、幼少期はサッカー選手を夢見ていましたが、体格から騎手を志す道を選びます。

ペルーで騎手デビューを果たしたガルシアは、2002年から2003年にかけて見習騎手リーディングを獲得。その後、友人の勧めでアメリカ合衆国へと渡り、ニュージャージー州のメドウランズ競馬場で騎乗を始めます。アメリカでのキャリアはまさに華々しく、数々の栄光を掴むことになります。

2007年は、ガルシアにとって飛躍の年となりました。9月にはラフドゥードという馬でフラワーボウルインビテーショナルステークスを制し、G1競走初制覇を達成。さらに、10月には同じラフドゥードでブリーダーズカップ・フィリー＆メアターフを制し、ブリーダーズカップ初騎乗で勝利するという快挙を成し遂げました。

そして、2008年。ガルシアはアメリカ競馬界の歴史に名を刻む偉業を達成します。ベルモントステークスにおいて、最低人気のダタラに騎乗。当時、アメリカクラシック三冠がかかっていたビッグブラウンが失速する中、逃げ切り勝ちを収め、アメリカクラシック三冠競走初制覇という偉業を成し遂げました。

同年12月には、日本でのワールドスーパージョッキーズシリーズにアメリカ代表として初出場。当初は別の騎手が予定されていましたが、出場不可となったため、急遽ガルシアが出場することになりました。シリーズでは阪神競馬場で初勝利を挙げ、クリーンという馬でゴールデンスパートロフィーも制覇。クリーンの馬体重602kgは当時のJRA史上最高体重優勝記録となり、ガルシアは「米国でもこんな大きな馬には乗ったことがない」とコメントしたことが話題となりました。

2010年には、通算1000勝を達成。2015年からはカナダのウッドバイン競馬場を拠点に活躍し、同地で93勝を挙げリーディング4位という好成績を収めました。しかし、その後は成績が下降線をたどり、2020年にはカナダを離れ、アメリカ・フロリダ州の自宅に戻りました。

ガルシアのG1競走における勝利は枚挙に暇がありません。アーリントンミリオンステークス、キングスビショップステークス、コーチングクラブアメリカンオークス、ジョーハーシュ・ターフクラシック招待、スピンスターステークス、ソードダンサーインビテーショナルステークス、ドンハンデキャップ、フォアゴーステークス、フラワーボウルインビテーショナルステークス、ブリーダーズカップ・フィリー＆メアターフ、ブルーグラスステークス、ベルモントステークス、ホープフルステークス、メトロポリタンハンデキャップ、ラフィアンインビテーショナルハンデキャップなど、数々のG1競走を制覇しています。

ペルーで騎手としてのキャリアをスタートさせ、アメリカで数々の栄光を掴み、カナダでも活躍したアラン・ガルシア。彼の華麗な騎乗は、世界中の競馬ファンを魅了し続けました。彼の功績は、競馬史に長く記憶されることでしょう。

もう一度検索