アレクサンダー・マクック

アレクサンダー・マクドウェル・マクック：南北戦争の将軍

アレクサンダー・マクドウェル・マクック（Alexander McDowell McCook、1831年4月22日 - 1903年6月12日）は、アメリカ陸軍の職業軍人であり、南北戦争において北軍の将軍として重要な役割を果たしました。

軍人一家の出自

マクックはオハイオ州コロンビアーナ郡で生まれました。彼の家系は「戦うマクック一族」として知られるほど、多くの軍人を輩出したことで有名です。父ダニエルと7人の兄弟、5人の従兄弟が戦争に参加し、その武勇はオハイオ州デイトンのマクック基地の名前の由来にもなっています。兄のロバート・L・マクック、弟のダニエル・マクック・ジュニアとエドウィン・S・マクック、従兄弟のアンソン・G・マクックとエドワード・M・マクックも、北軍の将軍として活躍しました。

軍歴の初期

1852年に陸軍士官学校を卒業したマクックは、1853年から1857年までニューメキシコ州でアパッチ族やユト族との戦いに従軍しました。その後、1858年から1861年まで陸軍士官学校で歩兵戦術の助教を務め、次世代の士官育成に貢献しました。

南北戦争での活躍

1861年4月、南北戦争が勃発すると、マクックは第1オハイオ歩兵連隊の大佐に任命されました。第一次ブルランの戦いに参加した後、1861年の冬にはケンタッキー州で旅団を指揮し、1862年初めにはテネシー州とミシシッピ州で師団を率いました。同年10月には、第1軍団の指揮官としてペリービルの戦いに参戦しましたが、この戦いでは軍団が壊滅寸前にまで追い込まれるという苦い経験をしました。11月から12月にかけてはテネシー州ナッシュビルで指揮を執り、ストーンズリバーの戦いにも参加しましたが、この戦いでも軍団は再び大きな損害を被りました。1863年夏、チカマウガの戦いに繋がる方面作戦で再び軍団を率いましたが、これが三度目、そして最後となる軍団の崩壊を経験しました。その後、軍法会議にかけられましたが、有罪とはなりませんでした。戦争の残りの期間は、前線での実戦指揮を執る機会はありませんでした。

1861年9月には志願兵の准将に、1862年7月には志願兵の少将に昇進しました。ナッシュビルの占領によって正規軍の名誉中佐に、シャイローの戦いでの功績で名誉大佐に、ペリービルの戦いでの働きによって名誉准将に昇進しました。1865年3月には、戦争中の功績を認められ名誉少将となりました。同年2月から5月にかけては、東アーカンソー地区軍を率いました。

戦後の活動

1865年10月に志願兵としての任務を終えたマクックは、1867年3月に第26歩兵連隊の中佐に任官されました。1874年までテキサス州で守備隊任務に就き、1875年から1880年にはアメリカ陸軍総司令官ウィリアム・シャーマンの副官を務めました。1886年から1890年（短期間の空白期間あり）には、カンザス州レブンワース砦の指揮官として、歩兵と騎兵の訓練に尽力しました。

1890年に准将、1894年に少将に昇進し、1895年に退役しました。1898年から1899年には、米西戦争中にアメリカ合衆国陸軍省の調査任務を担当しました。

マクックはオハイオ州デイトンで亡くなり、シンシナティのスプリンググラブ墓地に埋葬されました。ネブラスカ州のマクックという町は、彼の功績を称えて名付けられました。

関連事項

ペリービルの戦い

参考文献

Eicher, John H., and Eicher, David J., Civil War High Commands, Stanford University Press, 2001, ISBN 0-8047-3641-3.
Chisholm, Hugh, ed. (1911). "McCook, Alexander McDowell". Encyclopædia Britannica* (英語). Vol. 17 (11th ed.). Cambridge University Press. p. 205.

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