アレクサンドラ (レディ・オギルヴィ)

オギルヴィ令夫人アレクサンドラ王女

オギルヴィ令夫人アレクサンドラ王女（Princess Alexandra, The Honourable Lady Ogilvy、全名：Alexandra Helen Elizabeth Olga Christabel）は、1936年12月25日にロンドンで誕生したイギリスの王族です。彼女はケント公爵ジョージ王子とその妻マリナの長女として生まれ、結婚前はアレクサンドラ・オブ・ケント王女として知られていました。エドワード王子が現在のケント公爵の地位にあります。

幼少期と教育

アレクサンドラは、幼少期の多くを家族のカントリー・ハウスであるバッキンガムシャーのコッピンズで過ごしました。彼女の若年期は第二次世界大戦の影響を受け、祖母であるメアリー・オブ・テックと共に、安全を求めてバドミントン・ハウスに疎開しました。この時期の体験は彼女の人生に大きな影響を与えました。

1947年、アレクサンドラは従姉エリザベス王女とフィリップ・マウントバッテンの結婚式で、ブライズメイトとして参加しました。また、彼女はイギリス王女として初めて家庭教師ではなく、学校教育を受けた先駆者でもあります。彼女が通ったのは、アスコットにある名門女子校ヒースフィールド・スクールです。

結婚と家庭

1963年4月24日、アレクサンドラはエアリー伯爵の次男であるアンガス・オギルヴィとウェストミンスター寺院で結婚式を挙げました。彼の選択により、王女としての称号を持つ妻を持つものの、子供の称号は与えられないことが決定されました。夫妻は二人の子供を授かりましたが、アレクサンドラ以外は王族の義務を担うことはありませんでした。

• - ジェームズ・オギルヴィ（1964年生まれ）
• - マリナ・オギルヴィ（1966年生まれ）

アレクサンドラ王女は、1960年にロイヤル・ヴィクトリア勲章勲一等（GCVO）を授与され、2003年にはガーター勲章（LG）も受けました。現在、彼女は女性王族の序列でプリンセス・オブ・ウェールズのキャサリン妃とプリンセス・ロイヤルのアン王女に次ぐ位置にあります。

日本との関係

アレクサンドラ王女は、日本との関わりにおいて非常に重要な存在です。1961年に来日し、第二次世界大戦後の日本を訪れた最初の英国王族となりました。この訪問は、戦後の日英関係の再開を象徴するものでした。翌年の1962年には、秩父宮妃勢津子が戦後初めて日本の皇族として返礼訪英し、両国の王室関係が再び親密になりました。

アレクサンドラ王女の歓迎のために行われた宮中晩餐会では、昭和天皇が大戦中に剥奪されたガーター勲章を佩用することが許可されました。この出来事は、日本の皇室の名誉を回復する重要な一歩となり、10年後には天皇自身が訪英した際に正式にその名誉が回復されました。

また、アレクサンドラ王女は1962年に、秩父宮妃を通じて天皇より勲一等宝冠章を賜るなど、日本との友情を深める中で重要な役割を果たしてきました。

バラの名前

2007年には、デビッド・オースチン社から「プリンセス・アレクサンドラ・オブ・ケント」という名のバラが捧げられ、彼女の貢献を称える形となりました。これにより、アレクサンドラ王女はイギリス国内外での重要な人物として、また文化的なアイコンとしての地位を確立しています。

彼女の人生は、王室の一員としての義務と家庭人としての役割を兼ね備えたものであり、歴史に名を刻む存在となっています。

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