アンカラ (小惑星)

小惑星アンカラ (1457 Ankara)について

小惑星アンカラは、太陽系の小惑星帯中央部に位置する岩石質の小惑星です。その直径は約18kmと推定されており、1937年8月3日にドイツの天文学者カール・ラインムートによって発見されました。発見地はドイツ南西部のケーニッヒシュトゥール天文台です。その後、トルコの首都アンカラにちなんで命名されました。

軌道と分類

アンカラは、小惑星帯の中でも中央部に位置し、太陽から約2.3から3.1天文単位の距離を公転しています。公転周期は約4年5ヶ月（1618日）です。軌道離心率は0.15、黄道に対する軌道傾斜角は6°となっています。アンカラは、1933年にベルギー王立天文台で観測された記録があり、この観測によって、発見以前の観測記録が4年間遡って延長されました。

物理的特徴

自転周期

2004年9月にフランスのアマチュア天文学者ルネ・ロイ氏によって行われた測光観測により、アンカラの自転周期は約31.8時間であることが判明しました。この自転周期は、光度の振れ幅が0.21等級であることも示しています。一般的に、多くの小惑星の自転周期は20時間以内であるため、アンカラの自転速度は比較的遅いと言えます。

直径とアルベド

日本の赤外線天文衛星「あかり」や、アメリカ航空宇宙局(NASA)の広視野赤外線探査機(WISE)およびその後継機であるNEOWISEによる観測データから、アンカラの直径は17.834kmから19.82km、表面のアルベド（反射率）は0.258から0.320と測定されています。一方、Collaborative Asteroid Lightcurve Linkでは、アンカラが小惑星族に属さないことを考慮し、S型小惑星とC型小惑星の中間のアルベド値である0.1を仮定し、絶対等級から直径を29.08kmと算出しています。これは、天体の直径とアルベドが反比例の関係にあるためです。アルベドの値を小さく仮定することで、直径は大きめに算出される傾向があります。

命名の由来

アンカラという名前は、トルコの首都アンカラにちなんで名付けられました。この名前は、もともとドイツの太陽天文学者ヴォルフガング・グライスバーグによって提案されました。グライスバーグは、ユダヤ人の祖父を持つことが理由で、1933年にナチス・ドイツのヴロツワフ天文台を解雇され、その後トルコに移住しました。アンカラという名前が公式に記録されたのは、1955年にポール・ハーゲットの著書「The Names of the Minor Planets」においてです。

外部リンク

Asteroid Lightcurve Database (LCDB), query form (info)
Dictionary of Minor Planet Names, Google books
Asteroids and comets rotation curves, CdR – Observatoire de Genève, Raoul Behrend
Discovery Circumstances: Numbered Minor Planets (1)-(5000) – Minor Planet Center
アンカラ - JPL Small-Body Database
接近アプローチ · 発見 · 天体暦 · 軌道図 · 軌道要素 · 物理パラメータ

もう一度検索