アンディジャン

アンディジャンは、ウズベキスタン共和国で4番目に大きな都市であり、アンディジャン州の州都です。人口は約35万人と推定され、ウズベキスタン東端の肥沃なフェルガナ盆地に位置しています。地理的にはキルギス共和国に近く、北緯40度47分00秒、東経72度20分00秒に位置します。

歴史

アンディジャンは古くからシルクロードの重要な拠点の一つでした。カシュガルとコーカンドの中間に位置し、交易路の中継地として栄えました。13世紀にはチンギス・カンによって破壊されましたが、その後カイドゥによって再建され、フェルガナ地方の中心地として300年間繁栄しました。アンディジャンの商人は中央アジア全域でその名を知られていました。また、北インドでムガル帝国を築いたバーブルは1483年にこの地で生まれています。

1876年、ロシア軍がコーカンド・ハン国を攻撃した際にアンディジャンは占領され、トルキスタン総督府のフェルガナ州に組み込まれました。1898年には、スーフィー教団の導師に率いられた反ロシア蜂起が起こりましたが、ロシア軍によって鎮圧され、18人が絞首刑となりました。

1902年には大規模な地震が発生し、30,000棟の建物が倒壊し、4,500人もの死者を出す大惨事となりました。

ソビエト連邦時代には、アンディジャンはウズベク・ソビエト社会主義共和国に編入されました。フェルガナ盆地に国境線が引かれたため、アンディジャンの後背地の一部はキルギス・ソビエト社会主義共和国に属するようになりましたが、ソ連時代には国境の影響はほとんどありませんでした。

第二次世界大戦後には、第26収容地区（グラーグ）が設置され、シベリア抑留を受けた日本人捕虜がこの地に送られました。

1990年代に入ると、貧困とイスラム原理主義の台頭により政情が不安定化し、暴動が発生しました。ユダヤ人やアルメニア人が襲撃の対象となり、ソ連崩壊以降は経済状況も悪化しました。これは、国境管理が厳しくなったことも一因です。また、ウズベキスタン・イスラム運動も拡大しました。

アンディジャンの虐殺

2005年5月13日には、生活苦とカリモフ政権への不満から民衆によるデモが発生しました。このデモに対し、ウズベキスタン内務省の軍が発砲し、推定で187人から5,000人の市民が殺害されるという痛ましい事件が発生しました。秘密警察の内部資料では、死者は約1,500人とされています。犠牲者の多くは虐殺後、秘密裏に集団墓地に埋葬されたため、正確な犠牲者数は未だに不明です。

ウズベキスタン政府は当初、デモはウズベキスタン・イスラム運動が扇動し、参加者はイスラム過激組織ヒズブアッタハリールであると主張しました。しかし、西側諸国の調査要求に対し、虐殺の責任を認めました。この事件後、ウズベキスタン政府はカルシにあった米軍の空軍基地を閉鎖し、中国寄りの外交姿勢へと転換しました。

アンディジャンは歴史的に重要な都市である一方で、政治的な不安定さや悲劇も経験してきた場所です。現在も、その歴史は地域住民に大きな影響を与え続けています。

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