アール・ウィルソン

ロバート・アール・ウィルソン：波瀾万丈の野球人生

ロバート・アール・ウィルソン（Robert Earl Wilson, 1934年5月8日 - 2005年4月23日）は、アメリカ合衆国ルイジアナ州ポンチャトゥラ出身の元メジャーリーグ (MLB) の投手です。彼はアール・ローレンス・ウィルソン（Earl Lawrence Wilson）として生まれましたが、後に名前を改めました。

レッドソックス時代：苦難のデビュー

1953年、ウィルソンはボストン・レッドソックスと契約し、プロとしてのキャリアをスタートさせました。しかし、マイナーリーグ時代は制球難に苦しみ、1954年には145.2イニングで167もの四球を記録するなど、課題を克服できませんでした。1959年7月28日、クリーブランド・インディアンス戦で、球団史上初の黒人投手としてメジャーデビューを果たしましたが、23.2イニングで31四球と、荒れ球ぶりは相変わらずでした。

1962年、ウィルソンは5月から先発ローテーションに定着し、6月26日のロサンゼルス・エンゼルス戦でメジャー初完封を飾りました。この年は12勝8敗、防御率3.90という成績を残しました。翌1963年は、前半戦こそ8勝7敗、防御率2.41と好調でしたが、後半戦は3勝9敗、防御率5.81と不調に陥り、最終的には11勝16敗、防御率3.76、そしてリーグワーストの105四球と21暴投という結果に終わりました。1964年には202.1イニングを投げて73四球に抑えましたが、リーグワースト2位となる37被本塁打を喫しました。1965年は、自己最多となる13勝を挙げましたが、14敗を喫し、リーグワーストタイの102自責点でした。そして1966年6月14日、2選手との交換トレードで、1選手と共にデトロイト・タイガースに移籍することになります。

タイガース時代：キャリアの絶頂

タイガースに移籍後、ウィルソンは才能を開花させます。7月31日から9月7日にかけて9連勝を記録するなど、シーズン通算で18勝11敗、防御率3.07、リーグ3位の264.0イニング、そしてキャリアハイとなる200奪三振をマークしました。1967年には、22勝11敗、防御率3.27、前年と同数でリーグ3位の264.0イニングを投げ、ジム・ロンボーグと並んで最多勝のタイトルを獲得しました。この年、チームはレッドソックス、ミネソタ・ツインズと激しい優勝争いを繰り広げましたが、惜しくも1ゲーム差で2位に終わりました。1968年は13勝12敗、キャリアハイの防御率2.85を記録し、31勝のデニー・マクレイン、17勝のミッキー・ロリッチと共に、タイガースの強力な3本柱を形成しました。チームは2位ボルチモア・オリオールズに12ゲーム差を付けてリーグ優勝を果たし、セントルイス・カージナルスとのワールドシリーズに進出しました。ウィルソンは第3戦に先発しましたが、6四球を与え、5回途中3失点で降板し、敗戦投手となりました。登板はこの1試合のみでしたが、チームは4勝3敗で23年ぶりのワールドチャンピオンに輝きました。1969年は12勝10敗、防御率3.31の成績を残しましたが、チームはオリオールズに19ゲーム差を付けられ2位に終わりました。1970年7月15日、ウィルソンはサンディエゴ・パドレスに移籍しました。

引退後

パドレス移籍後は1勝6敗、防御率4.85と振るわず、シーズン通算で5勝12敗、防御率4.58に終わりました。1971年1月13日に解雇され、現役を引退しました。

ウィルソンは投手でありながら打撃にも優れ、1962年以降は毎年本塁打を放ち、通算35本塁打を記録しました。2005年4月23日、心臓発作によりミシガン州サウスフィールドの自宅で死去。70歳でした。

プレースタイル

制球難に苦しみながらも、球威と打撃センスでそれをカバーした、まさに波瀾万丈の野球人生を送った選手でした。

タイトル

最多勝利：1回 (1967年)

背番号

26 (1959年 - 1966年途中)
16 (1966年途中 - 1970年途中)
42 (1970年途中 - 同年)

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