イオド (クトゥルフ神話)

イオド：魂を狩りたてる輝く存在

クトゥルフ神話において、ヘンリー・カットナーの作品を中心に登場する旧支配者、イオド。別名「魂を狩りたてる者」または「輝く追跡者」として知られています。

イオドの姿: イオドは、巨大な複眼とロープ状の触手を持ち、半透明の鱗で覆われた肉体を有しています。その肉体は脈打つように強い光輝を放ち、粘液を滴らせるという異様な姿をしています。

イオドの能力と行動: 古代ギリシャではトルフォニス、エトルリアではヴェディオヴィスと呼ばれていたとされるイオドは、異次元を住処とし、人間の魂を狩ることを最大の喜びとしています。その狩りの対象となった者は、肉体の生命力を奪われながらも、脳だけは生きたまま、自身の死体に意識のみが閉じ込められるという恐ろしい運命を辿ります。しかし、一定の条件下では、安全に召喚できる可能性も示唆されています。

イオドと関連する文献: カットナーは「イオドの書」という文献を創作していますが、イオドとの関連性については明確に説明していません。この点もイオドの謎めいた存在感を際立たせています。

イオドの分類: リン・カーターの『クトゥルー神話の神々』、東雅夫の『クトゥルー神話事典』、そして風見潤の『クトゥルー・オペラ』など、複数の文献において、イオドは地球本来の神々に分類されています。これは、他の旧支配者とは異なるイオドの特殊な地位を示唆していると言えるでしょう。

イオドが登場する作品: イオドは、カットナーの『狩りたてるもの』(1939) や『クラーリッツの秘密』(1936) などに初登場しています。

イオドとヴォルヴァドス: カットナーが創造したもう一つの神、ヴォルヴァドスとイオドは、しばしば関連付けて語られることがあります。両者の関係性も、クトゥルフ神話における興味深い謎の一つと言えるでしょう。

二次創作におけるイオド: ゲーム『GHOST GIRL ゴーストガール』では、主人公の相棒としてイオドをモチーフにしたキャラクターが登場するなど、二次創作においてもイオドは独自の解釈で描かれています。

まとめ: イオドは、その異様な姿、恐るべき能力、そして謎めいた存在感によって、クトゥルフ神話における重要な旧支配者の一柱として、多くのファンを魅了し続けています。異次元から現れ、人間の魂を狩るその姿は、クトゥルフ神話特有の恐怖と神秘を象徴する存在と言えるでしょう。今後の研究や創作活動によって、イオドに関するさらなる謎が解き明かされることを期待したいものです。

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