イシノヒカル

イシノヒカルの生涯

イシノヒカルは、1969年5月6日に北海道沙流郡門別町の荒木牧場で生まれました。その父は16戦無敗の名馬リボーの子、母はキヨツバメで、前者は平凡な成績であったため、イシノヒカルも初めはあまり注目されていませんでした。幼少期は元気で賢い性格でしたが、右前脚に外向の癖があり、馬主が決まるまでに6人が断るなど、所有されないまま3歳を迎えました。しかし、石嶋清仁が安価で購入し、馬名を「キヨハヤブサ」から「イシノヒカル」に改名しました。

競走馬時代のスタート

デビューは1971年9月25日の中山新馬戦。以降、何度かのレースを経て、初勝利を12月の中山寒菊賞で果たしました。しかし、その後の馬インフルエンザの影響で多くの競走が中止され、イシノヒカルは期待以上の休養期間を得ることができました。

復帰後、1972年は活躍の年となります。関東所属馬の代表として、菊花賞や有馬記念といった大レースに挑み、特に菊花賞では圧巻のパフォーマンスで勝利を収めました。騎手の加賀武見が手綱を取り、レース中は後方からの鮮やかな追い込みを見せることで名を馳せました。

菊花賞と有馬記念

菊花賞においては、騎手が新たに増沢末夫に替わる中、見事な追い込みで1馬身半差で勝利を収め、春の雪辱を果たしました。そして、有馬記念でも再びファンからの支持を得て優勝。この功績が評価され、彼は1972年の優駿賞年度代表馬および最優秀4歳牡馬に選ばれました。

障害と引退後

その後の1973年は怪我や病気に悩まされ、長期休養を余儀なくされました。そしてこの年の春に再出発を試みましたが、期待された宝塚記念では最後尾で終わる結果となり、次第に競走生活に終止符を打つことになりました。1975年に引退し、種牡馬として新たな道を歩むことに。しかし、成功には至らず、1986年には肺気腫によって命を落としました。

評価とその余韻

イシノヒカルの競走時代は「花の47年組」とも称され、多くの競走馬とともに強く印象に残っています。騎手の増沢は彼を「最強馬との出会い」と位置付け、もっと活躍できたはずだと語っています。競走馬としての彼の記録と栄光は、今でも競馬ファンの心に深く刻まれています。

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