イワタカヅト

イワタ カヅト氏（本名：岩田 一人）は、1967年5月6日に山形県上山市に生まれた日本のゲームクリエイター、そしてゲームシナリオライターです。山形県立山形工業高等学校を経て明治大学を卒業しており、高校時代にはアニメーター・アニメーション監督として知られる小池健氏と同窓でした。

略歴

1990年、徳間書店インターメディアへ入社し、ファミリーコンピュータMagazine編集部でキャリアをスタートさせました。その後、当時の同社取締役であった山森尚氏にその才能を見出され、ゲームソフト開発部門へと転籍します。ここでゲーム制作に携わるようになり、後にシナリオライターとして独立した活動を開始しました。

ライターとしての活動と並行して、ビジネスの分野でも手腕を発揮しています。株式会社フレームワークジェイピーや株式会社ディー・オー・エムの取締役を務めたほか、株式会社C&Cブック・オン・マーケティング、株式会社ステラ・コミュニケーションでは代表取締役を歴任するなど、複数の企業の経営にも関わりました。

人物と評価

イワタ氏は、その個性的な人物像からメディアでは「奇人」「変人」といった表現で取り上げられることが少なくありませんでした。『ゲーム批評』、『ザ・プレイステーション』、『悪趣味ゲーム紀行』、『ファミマガWeekly』といった様々なゲーム誌の誌面にも頻繁に登場し、そのユニークな思想や作品世界について語るインタビューや対談記事が多く掲載されています。

彼が手がける作品には、しばしば無秩序で殺伐とした世界観が描かれます。また、細やかな描写の中にブラックユーモアを巧みに忍ばせる手法を好む傾向があります。常識にとらわれない意外なシーン設定や、含みを持たせつつも極めて独創的なセリフ回しは、イワタ作品の大きな特徴として知られています。その独特の表現は、ゲーム誌上で「ゲーム史上、最高ランクに位置付けされる言語芸」（『超クソゲー』/太田出版）、「ディーン・R・クーンツの小説を彷彿させるかのような上質なカルト作品」（『ザ・プレイステーション』/ソフトバンクパブリッシング）、「緻密に計算された確信犯的バカゲー」（『週刊ファミ通』/エンターブレイン）などと、多岐にわたる賛辞や評価で紹介されてきました。

プロ野球への深い造詣を持つことでも知られており、『ベストプレープロ野球』の攻略解説書の監修や執筆、雑誌におけるプロ野球関連特集の監修や執筆に携わった経験があります。さらに、インターネット上では歴代助っ人外国人の名鑑サイトの運営も行っていました。元南海ホークスで山形県米沢市出身のプロ野球選手、皆川睦雄氏を親族に持ち、本名である「一人」の名は、元南海ホークスの名選手・監督である鶴岡一人氏から名を採ったとされています。

主な作品・関連出版物

ゲーム

ラブクエスト
ジ・アンソルブド
ゴルビーのパイプライン大作戦
東尾修監修 プロ野球スタジアム'92
魔導物語 はなまる大幼稚園児
シェンムー
アナザー・メモリーズ
火星物語
五分後の世界

編集者として刊行した主な出版物（岩田一人名義）

「2ちゃんねる大攻略マガジソ」（2001年～2002年）
「パソコン究めるマスターシリーズ」（2001年～2004年）
「ケンガイ」（2002年～2005年）
「オレまる」（2005年）
「asovipマガジン」（2003年～2004年）
「チェキランチ」（2004年～2005年）

書籍

「恋するケータイ占い」（2005年、飛鳥新社）※共著（魔女とほうき名義）

連載

「電脳こすり学教室」（1995年～1998年、『パソコン批評』/マイクロマガジン社）※お注射チッ君名義
「イワタカヅト&中島ケンピの空前の2まいば」（1995年、『ヤングテイオー』/ぶんか社）

関連情報

日経進学Naviにてインタビュー記事が掲載されています。

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