インディゴ地平線
スピッツの7枚目のオリジナルアルバム『インディゴ地平線』は、1996年10月23日にポリドールよりリリースされました。
これまでのファンタジックな楽曲が多かったスピッツですが、本作では前年のブレイクの影響を受け、リアリスティックな視点を取り入れた楽曲が多くなりました。草野マサムネは、「裸足で地面に立ち、真っ直ぐ地平線を見つめるイメージ」と語っています。制作当時はバンド活動が非常に多忙で、歌入れ当日に歌詞が完成していないことや、徹夜でのレコーディングも頻繁でした。このような状況下で、草野は楽曲制作において「余裕を見せる」ことを意識したと言います。しかし、ギタリストの三輪テツヤが一時的にギターを弾けなくなるというアクシデントもあり、スケジュールに遅れが生じました。発売日の延期はなかったものの、ミックスダウンに時間がかかり、アルバム制作は9月初旬まで続きました。これらの経緯から、メンバーにとって本作は「一番思い出深いアルバム」となっています。
本作では、久々に三輪テツヤの作曲作品が収録されたほか、ベーシストの田村明浩の初作曲作品も収録されました。アルバムのカバーモデルには、約2週間前に発売されたライブビデオ『JAMBOREE 1』にも登場した小倉智栄が起用され、表題曲のPVや全国ツアーのステージセットにも登場しました。初回盤はスリーブケース仕様で、オレンジカラートレイとピクチャーレーベルが採用されています。
プロデューサーは前作に引き続き笹路正徳が担当しましたが、本作が最後のアルバムとなりました。エンジニアは『Crispy!』の森山恭行が再び起用されました（ただし、「チェリー」のみ坂本充弘）。現在、オリジナル盤は廃盤となっており、2002年10月16日にLAのエンジニア、スティーヴン・マーカソンによるリマスタリングが施された再発盤がリリースされました。この再発盤には、rockin'onの井上貴子によるライナーノーツが封入されています。ジャケット裏面には、メンバーの目線が異なる2つのバージョンが存在します。
1. 花泥棒
パンクナンバーで、草野は「自分には絶対作れない曲」と絶賛しています。当初は30秒程度の短い曲にする予定でしたが、初期には「アパガード」という歌詞で歌われていたため、仮タイトルも「アパガード」でした。三輪がボーカルを担当した音源も存在します。
2. 初恋クレイジー
TBS系ドラマ『メロディ』の主題歌オファーがあった際、メンバーは当初この曲をシングルカットすることを希望しましたが、制作側から新曲を求められ、「スカーレット」が書き下ろされました。この曲はドラマの挿入歌として一度だけ使用されています。間奏にはハーモニカの演奏が含まれています。仮タイトルは「バナ天」。ジャルジャルの福徳秀介の小説にも登場し、作中で「世界最高の演奏」と称賛されています。
3. インディゴ地平線
アルバムの表題曲で、PVも制作されました。
4. 渚
先行シングルとしてリリースされた14thシングル。アルバムバージョンでは、イントロがシングルバージョンよりも長くなっています。この曲もアルバムタイトルの候補でした。
5. ハヤテ
仮タイトルは「ロイホ」。ロイホとはファミリーレストランのロイヤルホストのことです。次曲「ナナへの気持ち」の歌詞に登場します。
6. ナナへの気持ち
間奏で聞こえる女性の声は、元エフエム福岡のDJで田村明浩の妻である半田嘉子のものです。草野との会話の音声をピッチを上げたものが使用されています。当初、女の子の名前は「チカ」でしたが、「ナナ」に変更されました。歌詞に登場する女の子は日焼けをしていて髪を染め、大きなピアスをしているというコギャル風の少女像で、草野は「コギャル賛歌」と表現しています。
7. 虹を越えて
仮タイトルは「山田倉庫」。
8. バニーガール
13thシングル「チェリー」のカップリング曲で、本作では森山恭行によってリミックスされています。オリジナルバージョンのエンジニアは「チェリー」と同じ坂本充弘。
9. ほうき星
田村明浩が作曲した楽曲。サビの歌詞が韻を踏んでいるのが特徴です。
10. マフラーマン
草野曰く「正義も悪も超越したヒーロー」を歌った曲。仮タイトルは「ビーボ、VIBOギター」。
11. 夕陽が笑う、君も笑う
仮タイトルは「ミネソタ野郎」。
12. チェリー
13thシングルとしてリリースされました。
『Spitz Analog Disc Collection Vol.1』として、アナログ盤が1997年1月1日にリリースされました。オレンジ・クリア・ビニール仕様で、和田ラヂヲによるオリジナルコミックが収録されています。収録曲順は上記と一部異なっています。
草野マサムネ：ボーカル、ハーモニカ
三輪テツヤ：ギター、エレクトリックシタール
田村明浩：ベース
崎山龍男：ドラムス
笹路正徳：キーボード、シンセサイザー、アコースティックピアノ、ビブラフォン、追加ギター
川瀬正人：パーカッション
高桑英世：フルート
ジェイク・H・コンセプション：クラリネット
柳沼寛、高野正幹：アルトサックス
森守：テナーサックス
上里稔：バリトンサックス
篠崎正嗣ストリングス：ストリングス
山岡京子：バックグラウンドボーカル
半田嘉子：ナレーション
片瀬饅頭合唱團：コーラス
横山剛：コンピュータープログラミング
1996年の音楽
ミリオンセラー
* indigo la End - このアルバム名がバンド名の由来となっています。
概要
これまでのファンタジックな楽曲が多かったスピッツですが、本作では前年のブレイクの影響を受け、リアリスティックな視点を取り入れた楽曲が多くなりました。草野マサムネは、「裸足で地面に立ち、真っ直ぐ地平線を見つめるイメージ」と語っています。制作当時はバンド活動が非常に多忙で、歌入れ当日に歌詞が完成していないことや、徹夜でのレコーディングも頻繁でした。このような状況下で、草野は楽曲制作において「余裕を見せる」ことを意識したと言います。しかし、ギタリストの三輪テツヤが一時的にギターを弾けなくなるというアクシデントもあり、スケジュールに遅れが生じました。発売日の延期はなかったものの、ミックスダウンに時間がかかり、アルバム制作は9月初旬まで続きました。これらの経緯から、メンバーにとって本作は「一番思い出深いアルバム」となっています。
本作では、久々に三輪テツヤの作曲作品が収録されたほか、ベーシストの田村明浩の初作曲作品も収録されました。アルバムのカバーモデルには、約2週間前に発売されたライブビデオ『JAMBOREE 1』にも登場した小倉智栄が起用され、表題曲のPVや全国ツアーのステージセットにも登場しました。初回盤はスリーブケース仕様で、オレンジカラートレイとピクチャーレーベルが採用されています。
プロデューサーは前作に引き続き笹路正徳が担当しましたが、本作が最後のアルバムとなりました。エンジニアは『Crispy!』の森山恭行が再び起用されました（ただし、「チェリー」のみ坂本充弘）。現在、オリジナル盤は廃盤となっており、2002年10月16日にLAのエンジニア、スティーヴン・マーカソンによるリマスタリングが施された再発盤がリリースされました。この再発盤には、rockin'onの井上貴子によるライナーノーツが封入されています。ジャケット裏面には、メンバーの目線が異なる2つのバージョンが存在します。
収録曲と楽曲解説
1. 花泥棒
パンクナンバーで、草野は「自分には絶対作れない曲」と絶賛しています。当初は30秒程度の短い曲にする予定でしたが、初期には「アパガード」という歌詞で歌われていたため、仮タイトルも「アパガード」でした。三輪がボーカルを担当した音源も存在します。
2. 初恋クレイジー
TBS系ドラマ『メロディ』の主題歌オファーがあった際、メンバーは当初この曲をシングルカットすることを希望しましたが、制作側から新曲を求められ、「スカーレット」が書き下ろされました。この曲はドラマの挿入歌として一度だけ使用されています。間奏にはハーモニカの演奏が含まれています。仮タイトルは「バナ天」。ジャルジャルの福徳秀介の小説にも登場し、作中で「世界最高の演奏」と称賛されています。
3. インディゴ地平線
アルバムの表題曲で、PVも制作されました。
4. 渚
先行シングルとしてリリースされた14thシングル。アルバムバージョンでは、イントロがシングルバージョンよりも長くなっています。この曲もアルバムタイトルの候補でした。
5. ハヤテ
仮タイトルは「ロイホ」。ロイホとはファミリーレストランのロイヤルホストのことです。次曲「ナナへの気持ち」の歌詞に登場します。
6. ナナへの気持ち
間奏で聞こえる女性の声は、元エフエム福岡のDJで田村明浩の妻である半田嘉子のものです。草野との会話の音声をピッチを上げたものが使用されています。当初、女の子の名前は「チカ」でしたが、「ナナ」に変更されました。歌詞に登場する女の子は日焼けをしていて髪を染め、大きなピアスをしているというコギャル風の少女像で、草野は「コギャル賛歌」と表現しています。
7. 虹を越えて
仮タイトルは「山田倉庫」。
8. バニーガール
13thシングル「チェリー」のカップリング曲で、本作では森山恭行によってリミックスされています。オリジナルバージョンのエンジニアは「チェリー」と同じ坂本充弘。
9. ほうき星
田村明浩が作曲した楽曲。サビの歌詞が韻を踏んでいるのが特徴です。
10. マフラーマン
草野曰く「正義も悪も超越したヒーロー」を歌った曲。仮タイトルは「ビーボ、VIBOギター」。
11. 夕陽が笑う、君も笑う
仮タイトルは「ミネソタ野郎」。
12. チェリー
13thシングルとしてリリースされました。
アナログ盤
『Spitz Analog Disc Collection Vol.1』として、アナログ盤が1997年1月1日にリリースされました。オレンジ・クリア・ビニール仕様で、和田ラヂヲによるオリジナルコミックが収録されています。収録曲順は上記と一部異なっています。
演奏
草野マサムネ：ボーカル、ハーモニカ
三輪テツヤ：ギター、エレクトリックシタール
田村明浩：ベース
崎山龍男：ドラムス
笹路正徳：キーボード、シンセサイザー、アコースティックピアノ、ビブラフォン、追加ギター
川瀬正人：パーカッション
高桑英世：フルート
ジェイク・H・コンセプション：クラリネット
柳沼寛、高野正幹：アルトサックス
森守：テナーサックス
上里稔：バリトンサックス
篠崎正嗣ストリングス：ストリングス
山岡京子：バックグラウンドボーカル
半田嘉子：ナレーション
片瀬饅頭合唱團：コーラス
横山剛：コンピュータープログラミング
関連事項
1996年の音楽
ミリオンセラー
* indigo la End - このアルバム名がバンド名の由来となっています。
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