エアダブリン

エアダブリン：ステイヤーとしての栄光と挫折、そして種牡馬の生涯

1991年4月21日生まれのエアダブリンは、日本と韓国で活躍した競走馬にして種牡馬です。その馬名は、冠名「エア」とアイルランドの首都ダブリンに由来しています。

華々しいデビューからダービー2着へ

1993年10月、東京競馬場でデビューしたエアダブリンは、圧倒的1番人気に推されながらも5着に敗れました。しかし、続く未勝利戦とエリカ賞を制し、3戦2勝で3歳シーズンを終えます。

翌1994年、4歳となったエアダブリンは、皐月賞トライアルの若葉ステークスで4着と振るわず皐月賞への出場は叶いませんでしたが、ダービートライアルの青葉賞で見事優勝し、重賞初制覇を成し遂げます。続く日本ダービーでは、ナリタブライアンに5馬身差をつけられ2着となりました。このレース後、管理する伊藤雄二調教師はエアダブリンにステイヤーとしての素質を見出し、長距離を得意とする岡部幸雄騎手が主戦騎手としてエアダブリンを支えました。

菊花賞ではナリタブライアンの3冠達成阻止に挑みましたが、約8馬身差の3着に終わります。しかし、その後、ステイヤーズステークスでは3分41秒6の日本レコードで優勝し、その実力を改めて証明しました。

5歳以降の活躍と屈腱炎との闘い

1995年、ダイヤモンドステークスを制し、天皇賞（春）に挑んだエアダブリンは、ナリタブライアンの故障欠場により1番人気に支持されましたが、5着に終わります。宝塚記念では、距離への不安や騎手交代などの影響で6番人気にまで人気を落としましたが、3着と健闘しました。

しかし、その後、エアダブリンは屈腱炎を発症し、約2年間の休養を余儀なくされます。1997年4月の復帰後、メトロポリタンステークス2着、目黒記念3着と復活をアピールしましたが、再び屈腱炎を発症し、宝塚記念出走を目前に引退を余儀なくされました。

エアダブリンはGI競走を制することはできませんでしたが、掲示板を外したことがなく、常に安定した成績を残しました。その堅実な走りは、多くのファンを魅了しました。

種牡馬としてのキャリアと韓国での余生

競走馬を引退したエアダブリンは、GI優勝馬を輩出した半妹（ダンスパートナー、ダンスインザムード）と半弟（ダンスインザダーク）、そしてリーディングサイアーにもなった父トニービンという血統背景から、種牡馬としての道を歩みます。

初年度の種付け料は50万円と安価でしたが、種付け頭数は年間194頭という日本記録を樹立するなど、大きな期待が寄せられました。しかし、産駒の活躍は目立たず、種付け頭数は減少。2003年には韓国へ輸出され、10年間種牡馬として活躍しました。2013年4月からは乗用馬として、済州島のヌルブン牧場で余生を過ごしましたが、2016年7月30日に死亡しました。

エアダブリンは、競走馬として、そして種牡馬として、その生涯を通して日本の競馬界に貢献しました。その功績は、後世に語り継がれることでしょう。

主要競走成績

1994年 青葉賞（GII）優勝
1994年 ステイヤーズステークス（GII）優勝
1995年 ダイヤモンドステークス（GIII）優勝
1994年 日本ダービー 2着
1994年 菊花賞 3着
1995年 天皇賞（春） 5着
1995年 宝塚記念 3着

主な産駒

ツルガオカハヤテ（UHB杯）
エアアドニス（ブラジルカップ）
エアウィード（青藍賞、北上川大賞典、シアンモア記念）
* キクノホープ（中京盃）

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