エア・アスタナ

エア・アスタナ：カザフスタンの翼

エア・アスタナは、カザフスタン共和国の首都ヌルスルタン（旧アスタナ）を拠点とする同国のフラッグキャリアです。ヌルスルタン国際空港と旧首都アルマトイ国際空港をハブ空港として、国内外に広範囲な路線網を展開しています。自転車ロードレースチーム「アスタナ・チーム」のメインスポンサーとしても知られています。

歴史と発展

2001年9月に設立されたエア・アスタナは、2002年5月にボーイング737型機3機で運航を開始しました。その後、ボーイング757型機やフォッカー50型機などを導入し、国内線ネットワークを拡大。2004年には国営のエア・カザフスタンの路線を引き継ぎ、カザフスタンの主要航空会社としての地位を確立しました。

現在では1800名以上の従業員を擁し、ルフトハンザドイツ航空との提携などを通じて国際的なネットワークを構築しています。カザフスタン政府が株式の51％を保有し、残りの49％はイギリスのBAEシステムズが保有しています。

日本路線への取り組み

2008年には日本への乗り入れを希望し、日本政府との間で早期の直行便開設で合意しました。関西国際空港への発着枠は確保されましたが、首都圏（羽田空港または成田空港）の発着枠は認められず、一時的に茨城空港への就航も検討されました。その後、2019年からSCAT航空が東京/成田～ヌルスルタン線を運航しています。

ANAホールディングスは、2015年に中央アジアへの路線開設を発表。2024年頃のアルマトイ～東京/成田線開設を目指していましたが、機材繰りなどの影響で2026年春頃への延期が発表されています。エアバスA321LR型機を使用し、日本航空とのコードシェアも予定されています。コードシェア対象路線は、日本航空の東京/札幌、名古屋、大阪、福岡、那覇路線と、エア・アスタナのアルマトイ、アスタナ、アティラウ路線となります。

国際的な連携と受賞歴

エア・アスタナは、アシアナ航空、エールフランス、オーストリア航空、ターキッシュエアラインズ、エティハド航空、ルフトハンザドイツ航空、KLMオランダ航空、LOTポーランド航空など、数多くの航空会社とコードシェア契約を締結しています。

高いサービス品質も評価され、2014年にはスカイトラックス・ワールド・エアライン・アワードで「中央アジア/インド・ベスト航空賞」と「中央アジア/インド・ベストスタッフサービス賞」を受賞するなど、数々の賞を受賞しています。

EU圏内への乗り入れ

2009年7月14日から2014年4月10日にかけて、EUのブラックリスト指定によりEU圏内への乗り入れが禁止されていましたが、その後解除され、現在はエア・アスタナの全機種がEUへの乗り入れを許可されています。

保有機材と航空事故

エア・アスタナは、ボーイング787-8型機の導入を計画していましたが、市場環境や経済状況などを考慮し、2025年への延期を発表しています。

2018年には、エンブラエルERJ190LR型機がポルトガルで緊急着陸する事故が発生しましたが、乗員乗客全員が無事でした。

まとめ

エア・アスタナは、カザフスタン経済の成長を背景に発展を遂げ、国際的なネットワークを構築してきた航空会社です。日本路線開設に向けた動きや、ANAとの連携計画など、今後の展開にも注目が集まります。

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