エアーマネジメントII 航空王をめざせ

エアーマネジメントII 航空王をめざせ

『エアーマネジメントII 航空王をめざせ』は、1993年4月2日に光栄から発売されたスーパーファミコン用経営シミュレーションゲームです。北米では『Aerobiz Supersonic』のタイトルでリリースされました。前作『エアーマネジメント 大空に賭ける』の続編であり、航空ビジネスにおける「ハブ&スポーク」という概念をゲームに導入した点が最大の特徴です。

ゲーム概要

プレイヤーは、東南アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカ、南アメリカ、オセアニアの7つのエリアから本社を置くエリアを選択し、他の5つのエリアと合わせて6エリアでのトップシェア獲得を目指します。ゲーム内では、国との友好度がパラメータとして設定されており、各国の政府からの援助要請に応えることで友好度を上げることができます。これにより、通常は敵対関係にある西側陣営と東側陣営の航空機を購入できるようになるなど、ゲーム展開に影響を与えます。また、特定の都市で発生する火山噴火や戦争などの突発的なイベントは、搭乗率の急減や交渉員の派遣不能を引き起こすため注意が必要です。

ゲームシステムの特徴

• - ハブ&スポークシステムの導入：本作では、航空ビジネスで主流となっているハブ&スポーク方式が採用されており、戦略的な路線展開が求められます。
• - 国との友好度：各国との友好度は、航空機購入や路線交渉に影響します。
• - 突発的なイベント：火山噴火や戦争などのイベントが、経営状況に大きな影響を与えます。
• - 観光ブームと固定イベント：特定の都市での観光ブームやオリンピック、博覧会などのイベントは、路線の需要を増加させます。
• - 難易度設定：本社を置く都市によって初期資金や所有航空機の性能、数などが異なり、ゲーム難易度が変化します。

移植版と追加要素

同年にPC-9801に移植された際、幾つかの改良が加えられ、1994年にはメガドライブにも移植されました。PC-98版では、以下の追加要素があります。

• - シナリオ5「過去から未来へ」：1955年から2020年までを連続でプレイできる上級者向けのシナリオが追加されました。
• - 全都市への本社・支社建設：拠点都市だけでなく、全ての都市に本社や支社を建設できるようになりました。
• - 座席配分とサービス設定：路線ごとにエコノミー、ビジネス、ファーストの3段階で座席を配分し、サービスの質を変化させることが可能です。

シナリオ

本作には、複数のシナリオが用意されています。

• - シナリオ1「ジェット時代の幕開け」：1955年4月から1975年1月が舞台。東南アジアやアフリカの独立、中東戦争などが起こります。
• - シナリオ2「大量輸送時代」：1970年4月から1990年1月が舞台。アエロスパシアル社のコンコルドが登場し、大阪万博が開催されます。
• - シナリオ3「世界を覆う航路網」：1985年4月から2005年1月が舞台。ソビエト連邦のペレストロイカにより、東西陣営間の航空機発注が自由化されます。
• - シナリオ4「新世代のネットワーク」：2000年4月から2020年1月が舞台。架空の航空機が登場し、架空のイベントも発生します。
• - シナリオ5「過去から未来へ」（PC-9801・Windows版のみ）：1955年4月から2020年までを連続でプレイできます。

エリアと都市

ゲーム内には、多数の都市が登場します。以下は、その一部です。

アジアエリア

• - 日本：東京、大阪、札幌、福岡
• - 韓国：ソウル
• - 台湾：台北
• - 中国：北京、上海
• - 香港
• - シンガポール
• - マニラ
• - バンコク
• - ハバロフスク

中東エリア

• - ニューデリー
• - テヘラン
• - バグダッド

ヨーロッパエリア

• - モスクワ
• - ベルリン
• - フランクフルト
• - アムステルダム
• - ローマ
• - ロンドン
• - パリ

アフリカエリア

• - カイロ
• - チュニス

北アメリカエリア

• - バンクーバー
• - ニューヨーク
• - ワシントン
• - アトランタ
• - シカゴ
• - ダラス
• - ロサンゼルス

南アメリカエリア

• - メキシコシティ
• - ハバナ
• - サンパウロ

南太平洋エリア

• - シドニー
• - パース
• - オークランド

登場航空機

ゲームには、ボーイング社やダグラス社、エアバス社などの実在するメーカーの航空機が登場するほか、イリユーシン社やツポレフ社などのソビエト製航空機、そして架空の機体も登場します。

評価

スーパーファミコン版

ゲーム雑誌『ファミコン通信』のクロスレビューでは27点（満40点）、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」では19.45点（満30点）を獲得しています。前作と比較して都市数が大幅に増加したことで、より高度な企業戦略が求められると評価されています。

メガドライブ版

『ファミコン通信』のクロスレビューでは24点（満40点）、『メガドライブFAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」では18.8点（満30点）を獲得しています。ハブ拠点都市の設定や操作性の向上、ボリュームアップなどが評価されています。

まとめ

『エアーマネジメントII 航空王をめざせ』は、前作のシステムをさらに発展させ、航空ビジネスのリアルな戦略性を追求した経営シミュレーションゲームです。ハブ＆スポークシステムの導入や、多様なシナリオ、多数の都市と航空機の登場など、やり込み要素も満載です。スーパーファミコン版に加え、PC-98版やメガドライブ版でもプレイでき、それぞれのプラットフォームで異なる特徴を楽しめます。航空ビジネスに関心のあるプレイヤーや、経営シミュレーションゲームのファンには、ぜひプレイしていただきたい作品です。

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