エスオベーション

エスオベーション

エスオベーションは、1994年から2016年にかけて活動した日本の株式会社です。

沿革

会社は1994年4月25日、当初はスポーツイベントに特化したチケット販売会社として設立されました。設立後、事業範囲を徐々に拡大し、海外で開催されるスポーツイベントのチケット手配代行業務や、アメリカの主要プロレス団体の関連キャラクターグッズ販売など、多角的な事業展開を行いました。

2005年5月には、女子プロレス分野への本格的な参入を決定。これと並行して、少年レスリング選手の育成を目指す「GOLD KID'S WRESTLING」プロジェクトも立ち上げています。しかし、2015年11月頃には経営状況の悪化が深刻化し、資金繰りが困難となったため、事業継続が不可能となり活動を停止しました。その後、2016年3月30日に東京地方裁判所から破産手続きの開始決定を受け、同年11月には法人としての存在を終えました。

女子プロレス事業

エスオベーションが女子プロレス事業に参入したのは2005年5月のことです。元全日本女子プロレスのトップ選手であった吉田万里子氏とマネジメント契約を締結し、彼女を中心とした「息吹事務局」を設立しました。この事務局を通じて、契約選手のマネジメントや独自のプロレス興行の企画・運営を手がけました。特に、アメリカのプロレス団体とのグッズ販売を通じた関係性を活かし、アメリカの女子プロレス界との窓口としての役割も担いました。これにより、所属選手たちの海外遠征を実現させたり、逆に海外から著名な女性レスラーを招聘するなど、女子プロレスにおける国際交流の促進に貢献しました。

主なプロレス興行

エスオベーションおよびその関連組織は、いくつかの印象的なプロレス興行をプロモートしました。

息吹（いぶき）：2005年5月、当時の女子プロレス界が置かれていた苦境を打破するため、吉田万里子氏が中心となり企画された自主興行です。全日本女子プロレスやGAEA JAPANといった大手団体の解散が相次ぎ、世代交代も進まない状況下で、若手選手の台頭と業界の活性化を目指す「新たな時代の息吹」を感じてほしい、という願いがタイトルに込められました。2005年6月5日に新木場1stRINGで旗揚げ戦が開催され、約5年間にわたり定期的に開催されましたが、2010年2月11日の新木場1stRING大会を最後に活動を終了しました。
Joshi 4 Hope：2010年11月30日に新木場1stRINGで初めて開催された興行です。この興行も複数回実施されましたが、2014年3月9日の新木場1stRING大会をもってその歴史に幕を下ろしました。
サンスト納涼プロレス：元々は「息吹」の企画として、2005年から2007年にかけて毎年8月にサンストリート亀戸のマーケット広場にて入場無料で行われていた野外興行です。2010年8月22日にも、入場無料の形式で再び開催されました。
ジャングルジャック21自主興行：ユニット「ジャングル・ジャック21」に所属していた中川ともか選手と松本浩代選手がプロデュースした興行です。2011年6月12日、東京キネマ倶楽部を会場に開催されました。

マネジメント契約選手

エスオベーションがマネジメント契約を結んでいた主な選手は以下の通りです。

最終的な契約選手：

中川ともか
松本浩代
ケリー・スケーター

これまでの契約選手：

吉田万里子
成国晶子
大畠美咲
本橋裕子
山田よう子
Ray
NAO
イーヴィー
エスイ

エスオベーションは、短い活動期間ながらも、スポーツビジネス、特に女子プロレス界において独自の存在感を示し、多くの選手のキャリアや興行に関わりました。しかし、最終的には経済的な理由からその活動を終えることとなりました。

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