エディ・パーキンス

エディ・パーキンス（Eddie Perkins）は、1937年3月3日にミシシッピ州クラークスデールで生まれたアメリカ合衆国の元プロボクサーです。巧みな技術と防御で知られ、後にWBAおよびWBCの世界スーパーライト級（当時はジュニアウェルター級とも呼ばれました）王座に二度就きました。

彼のプロキャリアは1956年12月27日、ウィスコンシン州ミルウォーキーでのノーマン・ジョンソン戦から始まりましたが、デビュー戦は判定負けという結果に終わりました。しかし、翌1957年4月17日、シカゴでジェリー・ジョーダンに判定勝ちを収め、初勝利を記録します。

パーキンスは早い時期から海外での試合を経験し、1961年6月にはベネズエラのカラカスで、後に世界王者となるカルロス・モロチョ・エルナンデスと対戦し、判定で勝利を収めました。この勝利は、彼のキャリアにおける重要なステップとなりました。

世界王座への最初の挑戦は1961年10月21日、イタリア・ミラノで行われました。当時の世界スーパーライト級王者デュリオ・ロイに挑んだ一戦は、15ラウンドに及ぶ激闘の末、三者三様のドローとなり、惜しくもベルト獲得はなりませんでした。しかし、この試合でのパフォーマンスは彼の評価を高めました。

王座獲得の機会は再び訪れます。1962年9月14日、イタリアのミラノで、パーキンスは再びデュリオ・ロイと対峙します。WBA世界スーパーライト級の初代王座決定戦として行われたこの再戦で、パーキンスは15ラウンドを戦い抜き、判定勝利を収めました。これにより、彼は念願の世界王座を手に入れたのです。

初戴冠からわずか3ヶ月後の1962年12月15日、パーキンスはロイとの三度目の対戦に臨みました。リターンマッチとなったこの試合で、彼は判定で敗れ、WBA王座から陥落しました。

しかし、パーキンスはすぐに王座奪還に動きます。1963年6月15日、フィリピン・マニラでロベルト・クルスに挑戦しました。この試合に15ラウンド判定で勝利したパーキンスは、WBA王座に返り咲くと同時に、新たに設立されたWBCの世界スーパーライト級王座も獲得し、二団体統一チャンピオンとなりました。

統一王者として、パーキンスは世界各地で防衛戦を行いました。

1964年1月4日には日本の蔵前国技館に初登場。挑戦者である高橋美徳を13回KOで退け、WBA・WBC王座の初防衛に成功しました。
1964年4月18日、ジャマイカのキングストンではベニー・グラントを判定で破り、2度目の防衛を果たしました。

しかし、1965年1月18日、かつて勝利したカルロス・モロチョ・エルナンデスと再び相見えた試合で、パーキンスは15ラウンド判定負けを喫し、WBA・WBC両王座を失いました。

世界王座を失った後も、パーキンスはリングに立ち続けました。日本には複数回訪れ、辻本英守、ライオン古山、龍反町といった実力者たちに勝利し、その実力を見せつけました。また、ホセ・ナポレス、ニコリノ・ローチェ、アンヘル・エスパダなど、後に世界王者となる強豪たちとも拳を交えています。

パーキンスの特筆すべき点は、その活動範囲の広さです。彼はキャリアを通じて、世界五大陸の23か国、45もの都市で試合を行いました。特に母国アメリカでの試合もしばしば相手の地元で開催されることが多く、このことから彼は「リングの親善大使」という異名で呼ばれるようになりました。

日本選手には勝ち越していましたが、1974年11月11日に再度来日した際に、辻本章次との10回戦で判定負けを喫しました。これは、彼のキャリアにおいて、日本のボクサーに喫した唯一の敗北となりました。

パーキンスは1975年5月30日、オーストリアでのフランツ・サンドル戦に8回判定で敗れたのを最後に、38歳で現役生活にピリオドを打ちました。

長きにわたるキャリアと世界的な活躍が評価され、2006年には世界ボクシング殿堂入りを果たしました。引退後はシカゴで暮らしていましたが、晩年は糖尿病や認知症といった病を患いました。2012年5月10日、75歳でその生涯を終えました。

エディ・パーキンスは、防衛技術に長け、世界中のファンを魅了したボクサーであり、「リングの親善大使」としてボクシング界に大きな足跡を残しました。

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