エドワード・バーン＝ジョーンズ

サー・エドワード・コーリー・バーン＝ジョーンズの生涯と作品

概要

サー・エドワード・コーリー・バーン＝ジョーンズ（1833年 - 1898年）は、イギリスの美術界に多大な影響を与えたラファエル前派の画家であり、デザイナーでもありました。彼は独自のスタイルを確立し、美しい作品を創造する中で、ラファエル前派をイギリスの美術界のメインストリームとして押し上げました。また、彼の作品は様々な分野においても評価されています。

生い立ち

バーン＝ジョーンズは、バーミンガムのベネッツ・ヒル에서、めっき師の子として生まれました。彼の生家には、彼の誕生を祝うブループラークが掲げられています。彼が生まれてすぐに母親を亡くし、冷たい家政婦のもとで育ちました。教育はバーミンガムのキング・エドワード6世グラマースクールで受け、続いてオックスフォード大学エクスター・カレッジで神学を学びました。

オックスフォードではウィリアム・モリスと親友となり、ジョン・ラスキンの影響を受けました。この時期にトマス・マロリーの『アーサー王の死』と出会い、彼の後の作品に影響を与えることになります。彼は当初、聖職者を目指していましたが、モリスの勧めで美術に転向し、オックスフォードを中退しました。

キャリアと作品

バーン＝ジョーンズは、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティのもとで学んだ後、個々のスタイルを発展させます。彼はイギリスにおけるステンドグラスの美術を復活させ、数多くの美しい作品を創作しました。特に有名な作品には、カンブリア州のセント・マーティン教会の窓などがあります。

1860年にジョージアナ・マクドナルドと結婚し、彼女は著名な画家として活躍しますが、彼らの関係は複雑でした。バーン＝ジョーンズは1867年からロンドンのフラムに居を構え、同時期にモデルとの不倫が報じられるなど、私生活では困難な時期を迎えます。

1870年代には主に展覧会に出展しない時期が続きましたが、1877年にグロウブナー・ギャラリーでの展覧会をきっかけに、再び注目を集めました。以降は油彩画、セラミックス、タペストリー、挿絵など、様々なジャンルで活躍します。

受賞と晩年

1881年、オックスフォード大学から名誉学位を授与され、1885年にはバーミンガム芸術家協会の会長に就任しました。そして1894年にはナイトに叙せられます。しかし、友人であるウィリアム・モリスの死後、彼は精神的に打撃を受け、健康も徐々に悪化していきました。

1898年に彼は息を引き取り、ウェストミンスター寺院で葬儀が行われました。この機会は芸術家がそのような光栄を授けられる初めての事例だったと言われています。

死後の評価

バーン＝ジョーンズの作品は20世紀には一時期評価が下がりますが、1970年代には再評価され、特にイギリスの画壇における彼の影響は後の世代にも続いています。また、フランスの象徴主義においても彼のスタイルが見られます。

彼の息子フィリップも肖像画家として成功を収め、娘のマーガレットはモリスの友人と結婚し教育にも尽力しました。彼の工房の助手だったチャールズ・フェアファックス・マレーもその後、重要な美術商として成功を収めます。

今やバーミンガム美術館は、多くのバーン＝ジョーンズの作品を収蔵しており、その中には彼が若き日のJ・R・R・トールキンに影響を与えたとされる『ベツレヘムの星』も含まれています。彼の芸術は現在も賞賛され続けています。

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