オル・サッソン

オル・サッソン

オル・サッソン（Or Sasson、1990年8月18日 - ）は、イスラエルのエルサレム出身の柔道選手です。得意技は背負投で、階級は100kg超級。193cmの長身を活かした柔道スタイルが特徴です。

人物と経歴

2009年、ユダヤ系アスリートの祭典であるマカビア競技大会の100kg級で優勝し、頭角を現しました。その後、ヨーロッパオープンなどで実績を重ね、2014年に階級を100kg超級に変更。

2015年のヨーロッパ競技大会では決勝に進出し、アダム・オクルアシビリに敗れはしたものの、2位に入賞しました。しかし、世界選手権では初戦で韓国の金成民に敗れています。

2016年のグランドスラム・パリでは、準決勝で日本の七戸龍を背負投で破るも、決勝では同じく日本の原沢久喜に指導3で敗れ、2位に終わりました。ヨーロッパ選手権でも決勝で絶対王者であるテディ・リネールに腕挫十字固で敗れています。

リオ五輪での活躍と握手拒否問題

リオデジャネイロオリンピックでは、準決勝でリネールに善戦するも、終了間際に技ありを取られて敗れました。しかし、三位決定戦では勝利し、見事銅メダルを獲得しました。

今大会では、初戦でエジプトのイスラーム・エルシャハビに一本勝ちしましたが、試合直後にサッソンが握手を求めると、エルシャハビは後ずさりをして拒否するという事態が発生しました。エルシャハビは、自国の強硬派やマスコミからイスラエルとの対戦を拒否するよう圧力をかけられていたとされています。本人の意思で試合には出場したものの、握手は拒否する形となりました。

IJF（国際柔道連盟）は、柔道の試合における礼は義務だが、握手は各選手の任意であるとの見解を示しました。一方、IOC（国際オリンピック委員会）は、この行為を「五輪精神に反した行動で受け入れることはできない」として調査し、オリンピックにおけるフェアプレーと友好精神に悖る行為だと認め、厳重注意処分としました。また、エジプトオリンピック委員会にも選手への適切な教育を求めています。

その後の活躍

オリンピックから約1年2か月ぶりの国際大会となった2017年10月のグランプリ・タシュケントでは優勝を果たしました。世界選手権(無差別)では、ビザの発給をモロッコ当局に一旦は拒否されたものの、IJF会長であるマリウス・ビゼールの尽力により入国が実現しました。試合では2回戦で100kg級の選手であるフランスのシリル・マレに一本負けを喫しました。

2019年には、地元のテルアビブで開催されたグランプリ・テルアビブで優勝。2020年の同大会でも2連覇を達成しました。2021年の東京オリンピックでは2回戦でリネールに敗れましたが、混合団体では3位入賞を果たしました。

IJF世界ランキングは1238ポイント獲得で14位(21/6/28現在)です。

主な戦績

100kg級での戦績

2009年 - マカビア競技大会　優勝
2011年 - グランプリ・アムステルダム　3位
2012年 - ワールドカップ・プラハ　優勝(100kg超級)
2013年 - ヨーロッパオープン・トビリシ　優勝
2013年 - ヨーロッパオープン・ワルシャワ　優勝
2013年 - ヨーロッパ選手権　5位
2013年 - グランプリ・ウランバートル　3位

100kg超級での戦績

2014年 - グランプリ・ザグレブ　3位
2014年 - ヨーロッパオープン・タリン　優勝
2015年 - グランプリ・デュッセルドルフ　3位
2015年 - ヨーロッパ競技大会　2位
2016年 - グランドスラム・パリ　2位
2016年 - ヨーロッパ選手権　2位
2016年 - ワールドマスターズ　3位
2016年 - リオデジャネイロオリンピック 3位
2017年 -　グランプリ・タシュケント　優勝
2017年 - グランドスラム・アブダビ　3位
2018年 - グランプリ・ザグレブ　2位
2019年 - グランプリ・テルアビブ　優勝
2019年 - グランドスラム・エカテリンブルグ　2位
2019年 - グランプリ・ブダペスト　優勝
2020年 -　グランプリ・テルアビブ　優勝
2021年 -　ヨーロッパ選手権　5位
2021年 -　東京オリンピック混合団体　3位

(出典、JudoInside.com)

外部リンク

* オル・サッソン - JudoInside.com のプロフィール（英語）

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