カインド・オブ・マジック (曲)

カインド・オブ・マジック (A Kind of Magic)

「カインド・オブ・マジック」は、1986年にイギリスのロックバンド、クイーンがシングルとしてリリースした楽曲です。同年に発売されたアルバム『カインド・オブ・マジック』にも収録されています。この曲は、ロジャー・テイラーによって作曲され、前作『ザ・ワークス』に収録されたロジャー初のシングルヒット曲「RADIO GA GA」の路線を継承した作品と言えるでしょう。本国イギリスでは3位にランクインし、その他欧米諸国でも軒並み10位以内という好成績を収めました。

解説

この楽曲のタイトルである「A Kind of Magic」というフレーズは、クリストファー・ランバート主演の映画『ハイランダー』で、主人公コナー・マクラウドが不死身であることを説明する際に使われた言葉です。このフレーズにインスピレーションを受けたロジャー・テイラーが曲を完成させました。

この曲は映画『ハイランダー』のエンディングにも使用されていますが、アルバムに収録されているバージョンとは異なるアレンジが施された、いわゆる「ハイランダー・バージョン」が使用されています。ロジャーがメロディとコードを作ったこのバージョンについて、ギタリストのブライアン・メイは「とても悲しげで、重厚感がある」と評しています。このアレンジは、2011年に再発されたアルバムのボーナストラックで聴くことができます。

現在アルバムで聴けるのは、フレディ・マーキュリーとプロデューサーのデイヴィッド・リチャーズが新たなベースラインなどを加え、よりチャート向けに作り直したバージョンです。

また、アルバム『メイド・イン・ヘヴン』に収録されている「ウィンターズ・テイル」の歌詞には「Kind of Magic」というフレーズが登場します。さらに、同アルバム収録の「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」の最後には、この曲の最後に収録されているフレディの「Ha ha ha, it's magic!!」というフレーズがそのまま使用されています。

ミュージック・ビデオ

ミュージック・ビデオでは、魔法使いに扮したフレディが、メンバー3人が扮する浮浪者がたむろする廃劇場に現れ、彼らを魔法でロックスターに変身させます。そして、演奏を披露した後、魔法使いフレディが立ち去ると、元の廃劇場と浮浪者の姿に戻ってしまうという内容になっています。映像内では、魔法のエフェクトなどにアニメーションが用いられています。

担当

フレディ・マーキュリー - リードヴォーカル、コーラス、シンセサイザー
ブライアン・メイ - エレクトリックギター
ロジャー・テイラー - ドラムス、シンセサイザー、コーラス
ジョン・ディーコン - ベース

ライブでの演奏

1986年のMagic Tourで演奏され、クイーンのオリジナルメンバーで演奏されたのはこのツアーのみです。フレディの死後、ブライアンとロジャーを中心に活動している中でも何度か演奏されており、近年ではロジャーがドラムボーカルを務めるパフォーマンスも披露されています。

A Kind of Vision

2011年に再発されたアルバムのボーナストラックには、1985年に収録されたとされるデモトラック「A Kind of Vision」が収録されています。この曲は、カインド・オブ・マジックのオケ(ハイランダーバージョンに近い)とメロディに、「one vision」のフレーズが散見される音源です。今日聴くことができる「カインド・オブ・マジック」と「ワン・ヴィジョン」両方の原型となったとされています。実際にアルバムに収録されている両曲には、「one」が散見される歌詞や、同じベースラインが存在するなど、共通点が多く見られます。

収録曲

7インチ盤
カインド・オブ・マジック - A Kind Of Magic (Taylor)
紅い薔薇を君に - A Dozen Red Roses For My Darling (Taylor)

12インチ盤
イギリス盤
カインド・オブ・マジック (エクステンデッド・ヴァージョン) - A Kind Of Magic (Extended Vision) (Taylor)
ギミ・ザ・プライズ - Gimme The Prize (Kurgan's Theme) (May)
日本盤
カインド・オブ・マジック (エクステンデッド・ヴァージョン) - A Kind Of Magic (Extended Vision) (Taylor)
紅い薔薇を君に - A Dozen Red Roses For My Darling (Taylor)

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