ボーン・トゥ・ラヴ・ユー

「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」（原題：I Was Born To Love You）は、フレディ・マーキュリーが1985年に発表した楽曲であり、同年にリリースされたソロアルバム『Mr.バッド・ガイ』に収録されました。この曲は、彼のソロ活動における代表作の一つとして知られています。

1991年にフレディが他界した後、クイーンのメンバーは1995年に発表したアルバム『メイド・イン・ヘヴン』で、この曲に新たなアレンジを施したバージョンを制作し、収録しました。クイーンバージョンは、フレディのソロバージョンとは異なる魅力を持つ楽曲として、多くのファンに愛されています。

日本での評価

日本では、1980年代後半にノエビアのテレビコマーシャルでフレディのソロバージョンが使用されたのを皮切りに、1996年にはキリン一番搾り生ビール、アサヒスーパードライのCM、2011年にはカップヌードルのCMでクイーンバージョンが使用されました。特に2004年のテレビドラマ『プライド』の主題歌としてクイーンバージョンが起用されたことは、日本におけるクイーン再評価の大きなきっかけとなりました。

ドラマ『プライド』の大ヒットとともに、クイーンのベストアルバム『ジュエルズ』は150万枚以上を売り上げ、日本で一大ブームを巻き起こしました。このため、「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」は、「ウィ・ウィル・ロック・ユー」や「伝説のチャンピオン」、「ボヘミアン・ラプソディ」などと並び、クイーンの代表曲として広く認知されるようになりました。

2005年のクイーンの来日ツアーでは、アンコールでブライアン・メイとロジャー・テイラーがアコースティックギターのみの伴奏でこの曲をデュオで演奏しました。また、QUEEN + Adam Lambertの来日公演では、毎回アダム・ランバートがクイーンバージョンを歌唱しています。

さらに、DVD版『ジュエルズ』には、フレディ版のミュージックビデオとクイーンのライブ映像を組み合わせたミュージックビデオが収録されています。

プロ野球選手の稲葉篤紀は、北海道日本ハムファイターズの選手時代に、得点チャンス時のテーマ曲としてこの曲を使用し、プロボクサーの田中恒成も入場曲として使用しています。

曲のアレンジ

この曲は、終始8ビートで構成されています。フレディのソロバージョンは、シンセサイザーと打ち込みを多用したシンプルな構成で、テクノポップ的な要素が強く、イントロはボーカルから始まります。一方、クイーンバージョンは、効果音から始まり、各楽器の音に厚みが増しており、バンドサウンドが強調されています。ギターはブライアン・メイ、ドラムはロジャー・テイラー、ベースはジョン・ディーコンが演奏しています。また、フレディのアドリブボーカルは、クイーンの楽曲「カインド・オブ・マジック」や、フレディのソロ曲「リヴィング・オン・マイ・オウン」から流用されています。

パーソネル

ソロ・バージョン

フレディ・マーキュリー - リードボーカル、ピアノ、シンセサイザー
フレッド・マンデル - シンセサイザー、リズムギター
ポール・ヴィンセント - リードギター
カート・クレス - ドラムス
ステファン・ヴィスネット - ベースギター、フェアライトCMI
ラインホルト・マック - フェアライトCMI、シンクラヴィア

クイーン・バージョン

フレディ・マーキュリー - リードボーカル、バッキングボーカル、ピアノ、キーボード
ブライアン・メイ - エレクトリックギター、キーボード
ロジャー・テイラー - ドラムス、パーカッション
ジョン・ディーコン - ベースギター

シングル収録曲

フレディ・マーキュリー

7" single
1. ボーン・トゥ・ラヴ・ユー - I Was Born To Love You (Mercury)
2. ストップ・オール・ザ・ファイティング - Stop All The Fighting (Mercury)
12" single
1. ボーン・トゥ・ラヴ・ユー (旋風ミックス) - I Was Born To Love You (Extended Mix) (Mercury)
2. ストップ・オール・ザ・ファイティング - Stop All The Fighting (Mercury)

クイーン

* ボーン・トゥ・ラヴ・ユー - I Was Born To Love You (Mercury)

この楽曲は、フレディのソロ活動とクイーンという二つの側面から、それぞれ異なる魅力を持つ作品として、現在も多くの人々に愛されています。

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