Magic Tour

マジック・ツアー：クイーン伝説の終焉と輝き

1986年、イギリスのロックバンド、クイーンは「マジック・ツアー」と題したコンサートツアーを敢行しました。このツアーは、単なるコンサートツアーという枠を超え、クイーンの歴史、そしてロック史においても特別な意味を持つものとなりました。なぜなら、このツアーは、ボーカルのフレディ・マーキュリーとベースのジョン・ディーコンが共に参加した最後のツアーとなったからです。

ヨーロッパ各地で26公演が行われ、各公演は熱狂的なファンで埋め尽くされました。特に最終日、イギリスのスティーブニッジで行われた公演は、クイーンのオリジナルメンバーであるフレディ・マーキュリー、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラー、ジョン・ディーコンの4人が揃ってステージに立った最後のライブとなりました。この歴史的な瞬間は、多くのファンの心に深く刻まれ、伝説として語り継がれています。

マジック・ツアーのセットリストは、クイーンの代表曲が網羅されており、観客を大いに魅了しました。以下は、1986年8月9日にスティーブニッジで行われたライブのセットリストの一部です。このセットリストは、ツアー全体を通して固定されたものではなく、公演によって異なる曲が演奏されたこともありました。

1. ONE VISION -ひとつだけの世界-
2. タイ・ユア・マザー・ダウン
3. 神々の業 (リヴィジテッド)
4. 輝ける7つの海
5. テア・イット・アップ
6. カインド・オブ・マジック
7. アンダー・プレッシャー
8. 地獄へ道づれ
9. リヴ・フォーエヴァー
10. ブレイク・フリー (自由への旅立ち)
11. インプロンプトゥ
12. ギター・ソロ
13. ナウ・アイム・ヒア
14. ラヴ・オブ・マイ・ライフ
15. 悲しい世界
16. ベイビー・アイ・ドント・ケア
17. ハロー・メリー・ルー
18. トゥッティ・フルッティ
19. ボヘミアン・ラプソディ
20. ハマー・トゥ・フォール
21. 愛という名の欲望 (アンコール)
22. RADIO GA GA (アンコール)
23. ウィ・ウィル・ロック・ユー
24. 心の絆
25. 伝説のチャンピオン
26. ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン

上記のセットリスト以外にも、「愛しておくれ」「ビッグ・スペンダー」「移民の歌」「炎のロックンロール」「春の風」などが演奏された日もありました。これらの曲は、クイーンの幅広い音楽性を物語っています。

マジック・ツアーのメンバーは以下の通りです。

フレディ・マーキュリー - リードボーカル、ピアノ、リズムギター
ブライアン・メイ - エレクトリックギター、アコースティックギター、コーラス
ロジャー・テイラー - ドラムス、タンバリン、コーラス
ジョン・ディーコン - ベースギター、コーラス

さらに、ツアーではサポートメンバーとしてスパイク・エドニーがキーボード、コーラス、リズムギターを担当しました。

このツアーの模様は、後に『ライヴ・マジック』、『クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986』、『ハンガリアン・ラプソディ～クイーン・ライヴ・イン・ブダペスト1986』といったライブアルバムや映像作品としてリリースされ、多くのファンを魅了し続けています。特に、ウェンブリースタジアムでのライブは、クイーンのライブパフォーマンスの最高峰として、今もなお語り草となっています。

マジック・ツアーは、クイーンの歴史における重要なターニングポイントであり、その後の彼らの活動に大きな影響を与えました。フレディ・マーキュリーの圧倒的なパフォーマンス、メンバーの息の合った演奏、そして観客との一体感は、まさに「マジック」と呼ぶにふさわしいものでした。このツアーは、クイーンが単なるロックバンドではなく、伝説の存在であることを改めて証明したと言えるでしょう。

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