カッサーノ・ダッダ

カッサーノ・ダッダ：歴史と自然が息づくロンバルディアの街

カッサーノ・ダッダは、イタリア・ロンバルディア州ミラノ県に位置するコムーネ（基礎自治体）です。人口は約1万9千人。ミラノの東約30kmに位置し、アッダ川が流れる場所にあります。地元の方言では「Casàn」と呼ばれています。

地理

カッサーノ・ダッダは、ミラノ県の東部、アッダ川のほとりに位置しています。主要都市からの距離は、ベルガモから南西へ約23km、ローディから北へ約24km、ミラノから東北東へ約27km、ブレシアから西へ約55kmです。

アッダ川はベルガモ県との境界となっており、川を隔てて東へ約6kmの距離にトレヴィーリオの市街があります。市域南東部はアッダ川東岸にも広がっており、市域の南部でわずかにクレモナ県と接しています。

隣接するコムーネ

北: ヴァプリオ・ダッダ
北東: ファーラ・ジェーラ・ダッダ（ベルガモ県）
東: トレヴィーリオ（ベルガモ県）
南東: カジラーテ・ダッダ（ベルガモ県）
南: リヴォルタ・ダッダ（クレモナ県）
南西: トルッカッツァーノ、ポッツオーロ・マルテザーナ
西: インザーゴ
北西: ポッツォ・ダッダ

地勢・地形

アッダ川が市域を流れ、マルテザーナ運河とムッツァ運河という2つの人工運河が通っています。マルテザーナ運河はアッダ川とミラノを結び、グロペッロ・ダッダ地区を流れています。ムッツァ運河はアッダ川とローディを結び、市域の南部を流れています。

地震分類

イタリアの地震リスク階級では、3に分類されています。

主要な集落

カッサーノ・ダッダの中心市街は、アッダ川の右岸（西岸）に位置しています。市街の北にはグロペッロ・ダッダ地区があり、市街地はカッサーノ中心市街と一体化していますが、分離集落としての地位を持っています。アッダ川左岸（東岸）には、カッサーノの対岸にカーシナ・タランタの集落があります。また、中心市街から約2.6km離れてカシーネ・サン・ピエトロの集落があり、カジラーテ・ダッダのチオッフィ地区と連なっています。

歴史

カッサーノ・ダッダが文書に初めて登場するのは、887年のことです。都市が成立する以前の268年、ローマ皇帝ガッリエヌスが、皇帝僭称者アウレオルスの軍勢をこの付近の橋の近くで打ち破っています。

1000年頃には、アッダ川のほとりにボロメオ城が築かれました。1158年には、神聖ローマ皇帝フリードリヒ1世がミラノ軍とカッサーノで戦っています。1259年には、教皇派（ゲルフ）の同盟軍が、この地で皇帝派（ギベリン）と戦いました（カッサーノの戦い）。

1705年には、スペイン継承戦争の一環としてフランスとオーストリアが戦い、フランスのヴァンドーム公ルイ・ジョゼフ・ド・ブルボンがオーストリアのオイゲン・フォン・ザヴォイエンを打ち破っています（カッサーノの戦い）。1799年、フランス革命戦争の中でフランス軍とロシア軍が戦い、スヴォーロフ率いるロシア軍が、モロー率いるフランス軍を打ち破っています。

交通

鉄道

ミラノ＝ヴェネツィア線が通り、カッサーノ・ダッダ駅があります。この駅は、ミラノとトレヴィーリオを結ぶ鉄道の駅として1846年に開業しました。この路線はミラノ近郊鉄道に組み込まれており、運行系統としてはS5線（ヴァレーゼ - ミラノ - トレヴィーリオ）およびS6線（ノヴァーラ - ミラノ - トレヴィーリオ）の一部です。

道路

主要な道路としては、県道 SP11号線がコムーネを東西に貫いています。この路線はトリノとヴェネツィアを結ぶ国道SS11号線の一部を構成します。

著名な出身者

フェルナンド・ブランビラ: 18～19世紀にスペインで活動した画家。
ジュゼッペ・ペルチェッティ: イタリア王国軍人。山岳部隊（アルピーニ）創設者。
エミーリオ・デ・ボーノ: イタリア王国陸軍元帥、「ファシスト四天王」の一人。
ヴァレンティーノ・マッツォーラ: 1940年代に活躍したサッカー選手。「スペルガの悲劇」で落命。
* ジャンニ・モッタ: 1960-70年代に活躍した自転車ロードレース選手。

カッサーノ・ダッダは、豊かな歴史と自然に恵まれた魅力的な街です。ぜひ一度訪れてみてください。

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