カンバーランド (フリゲート)

HMS カンバーランド - イギリス海軍のフリゲート

HMSカンバーランド（F85）は、イギリス海軍の22型フリゲートに属し、その12番艦として知られています。この艦名は「カンバーランド」に由来しており、イギリス海軍の艦艇としては11代目となっています。カンバーランドは、1984年にヤーロウ・シップビルダーズのクライド造船所で起工され、1986年に進水しました。正式に就役したのは1989年の6月10日で、以降はデヴォンポート海軍基地を母港とし、様々な任務に従事します。

艦歴と主な任務

「カンバーランド」はその就役以来、数々の重要な任務を遂行してきました。特に際立った出来事の一つは、2000年9月26日に発生した、ギリシャのフェリー「エクスプレス・サミナ」の座礁における生存者救助です。この事件では、カンバーランドの乗組員が漁師と協力し、海上で困難な状況にある人々を救助しました。

その後、カンバーランドは2003年に大西洋中部での対麻薬作戦に参加し、3.6トンのコカインを押収しました。2005年には、ニカラグア沖でカリブ海のスピードボートから2トンのコカインを押収するなど、麻薬撲滅活動にも貢献しています。

2008年には海賊対策任務に就き、同年11月にはデンマークの船舶が海賊に襲われた際に救援に向かいました。この際、海賊から攻撃を受けたカンバーランドは、反撃を行い折り返しに成功します。これにより、海賊3名が死亡する結果となり、カンバーランドの優れた戦闘能力が示されました。

さらに、2011年にはリビア内戦の影響を受け、イギリス国民や他国民の避難活動のためにリビアに派遣されました。外務省のウィリアム・ヘイグ大臣が退役の途上でカンバーランドに乗船中に、その任務が発表されました。2月24日、カンバーランドはベンガジに入港し、イギリス市民および他の欧米人を避難し、同日中にマルタへ向けて出航しました。

この過程では、イギリス外交団の一部がリビア国内の反体制派と接触を試みましたが、拒絶されて拘束されるという事態も発生しました。最終的には近海を航行していたカンバーランドに帰還し、リビア沖での海上封鎖任務に従事しました。

退役

カンバーランドは、国防予算の削減に伴う方針に従い、2011年6月11日に正式に退役しました。長い歴史の中で多くの重要任務を果たしてきたカンバーランドの存在は、イギリス海軍における重要な一部として語り継がれています。今後もその活躍は海軍の歴史として、多くの人々に記憶されることでしょう。

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