22型フリゲート

イギリス海軍 22型フリゲート

22型フリゲートは、イギリス海軍が運用した汎用フリゲートであり、バッチ1（ブロードソード級）、バッチ2（ボクサー級）、バッチ3（コーンウォール級）の3つのサブクラスに分類されます。

来歴

1966年、イギリス政府はCVA-01級航空母艦の計画を中止しました。これにより、正規空母が海軍から消滅することが確実になったため、海軍は将来艦隊計画作業部会（FFWP）を設置し、兵力整備コンセプトの見直しに着手しました。FFWPは、大型の嚮導駆逐艦（82型）の代わりに小型のミサイル駆逐艦（後の42型）を建造することを推奨し、艦隊の基幹戦力として汎用フリゲートの建造を提案しました。

国防省艦船総局（DGS）は、まず輸出用の設計を基にした21型フリゲートを建造しつつ、自らもフリゲートの設計を開始しました。当初、世界的な冷戦を想定していましたが、設計段階ではNATOとの共同作戦を重視するようになりました。1968年にはオランダから共同開発の提案があり、1969年初頭にはイギリス海軍が20隻、オランダ海軍が12隻を建造する計画となりました。しかし、個艦防空ミサイルの選定や船体設計の差異から、1970年11月にオランダは計画から撤退しました。

1974年2月8日にネームシップが発注され、1975年2月7日に建造が開始されました。1978年には駆逐艦・フリゲートの新設計コンセプトに準拠したバッチ2に移行し、フォークランド紛争での戦没艦の代替として、バッチ3が追加建造されました。

設計

本型の外見上の特徴は、ブルワークを備えた鋭く突出した艦首と、大型の船楼を備えた中央船楼型である点です。艦首はリアンダー級の設計をスケールアップしたもので、水槽実験により、イギリス海軍が求める耐航性を満たすには船体長130メートルが最低限と判断されました。この船体長は、オランダ海軍の計画撤退の一因となりました。

21型の反省点を踏まえ、人員の増強や居住区の質的改善が行われました。また、機関へのアクセスなど、維持・管理の容易化にも配慮されています。

バッチ1では、巡航機としてロールス・ロイス タインRM1A、高速機としてオリンパスTM3Bのガスタービンエンジンを用いたCOGOG方式が採用されました。バッチ2では巡航機がタインRM1Cに変更され、バッチ2の3番艦以降では高速機がスペイSM1Aに変更され、COGAG方式に移行しました。電源としては、パックスマン-バレンタ社製のディーゼルエンジンを原動機とする1,000キロワットの発電機が4セット搭載されました。

装備

22型フリゲートは、対潜能力と指揮統制能力を重視して設計されました。

C4ISR

戦術情報処理装置としては、バッチ1ではCAAIS DBA(5)、バッチ2ではCACS 1、バッチ3ではCACS 5が搭載されました。CACSは電波探知装置やソナーの情報を取り込む機能を備えており、コンピュータも強化されました。また、リンク 11やSCOT衛星通信装置にも対応しています。

センサーとしては、2016型ソナーとUAA-1電波探知装置が搭載されました。2016型ソナーは、長距離探知に対応しており、後に2050型にアップデートされました。曳航ソナーとして2031Z型も後日装備されました。UAA-1電波探知装置は、小型軽量化されており、瞬時周波数計測（IFM）機能などを実装しています。

レーダーとしては、シーウルフ個艦防空ミサイル・システムと連接された967/968型レーダーが搭載されました。

武器システム

個艦防空ミサイルとして、シーウルフGWS.25が搭載されました。火器管制レーダーは、当初910型レーダーが用いられていましたが、バッチ2以降では911型レーダーに更新されました。艦対艦ミサイルとしては、バッチ1・2ではエグゾセMM38、バッチ3ではハープーンが搭載されました。

艦砲は、バッチ1・2では搭載されませんでしたが、バッチ3では55口径114mm単装砲（4.5インチ砲Mk.8）が復活しました。また、40mm機銃は30mm機銃に更新され、バッチ3ではゴールキーパー30mmCIWSが搭載されています。

対潜兵器は3連装短魚雷発射管のみで、長距離対潜戦はリンクス中距離魚雷投射ヘリコプターに依存していました。後期建造艦では、大型ヘリコプターに対応してヘリコプター甲板が拡張されました。

諸元表

（諸元表は省略）

同型艦

（同型艦リストは省略）

脚注

（脚注は省略）

外部リンク

（外部リンクは省略）

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