キア・コンコード

コンコード（CONCORD）

コンコードは、大韓民国の自動車メーカーである起亜自動車が1987年10月から1995年6月の間に製造・販売した中型セダンです。このモデルは、エレガントなデザインと高い性能で多くの乗用車の中でも際立っており、特に弁護士や医師などの専門家が選ぶ車というイメージが根付いています。実際、韓国の元大統領である盧武鉉も、弁護士時代にこの車を愛用していたとされています。

初代コンコードとその開発の背景

初代コンコード（型式: NB-V）は、起亜が自動車産業の合理化措置による制限が解除された後、1987年に登場しました。競合の現代自動車や大宇自動車が小型車市場を独占していたため、起亜はその市場に挑戦し成功を収めた後、中型車セグメントにも参入することを決めました。プロジェクト名『NB-V』のもとで開発が進められ、1987年10月16日に発表されました。

この車は、マツダ・カペラ最終型を基に作られ、基本的な構造が共通していますが、国産化率の向上を図るために外装や内装に多くの改良が施されました。特に、先進的なデジタルパネルメーターや高音質の音響システムは当時画期的でした。また、起亜はこの車をフィアット・132の後継と位置付けており、プジョー・604からインスパイアを受けたデザインにも工夫が見られます。

特徴とマイナーチェンジ

1988年にはディーゼルエンジンのバリエーションが追加され、後には市場に合わせた様々なマイナーチェンジが行われました。この変更の中には、バンパーのデザイン改良や内装のアップグレードが含まれており、より高級感と運転時の快適性が求められました。一つの特徴的な点として、1991年に行われたフェイスリフト版『ニューコンコード』は、丸みを帯びたデザインと改良されたライトデザインで注目を集めました。

1992年には2.0Lのガソリンエンジンが追加されたことで、より強力なパフォーマンスが実現されました。軽量な車体と優れたエンジン性能により、「高速道路の帝王」という異名を得るほど、高速走行での加速力に優れていました。

グレードと販売

コンコードのグレード体系には、複数のバリエーションが用意されており、1.8と2.0Lのガソリンエンジンモデル、ディーゼルモデル、さらには特別装備車両のOMEGAなどが展開されました。市場からの反響も良く、特に1989年から製造場所が移転し、品質向上が図られました。

1995年には、その生産が終了し後継モデルであるクレドスが登場しました。コンコードは生産期間の中で、より多くのユーザーに愛され、起亜自動車の注目の一台として強く記憶されています。

まとめ

コンコードは、その斬新なデザインと高度な性能、そして競合に対抗するための不断の努力を反映する車両でした。その存在は、韓国自動車産業の発展の一端を担っており、今なお多くの自動車ファンに愛され続けています。起亜自動車の歴史の中で特別な位置を占めたこの車ならではの魅力を振り返ることは、多くの人にとって価値のある体験です。

もう一度検索