キエフ音楽院

ウクライナ国立チャイコフスキー記念音楽院について

ウクライナの首都キーウに位置するウクライナ国立チャイコフスキー記念音楽院は、1913年に設立された音楽大学です。この音楽院は、かつてのロシア音楽協会の音楽学校から発展し、多くの名だたる音楽家たちによって支えられてきました。設立の際には、著名な音楽家であるセルゲイ・ラフマニノフ、アレクサンドル・グラズノフ、ピョートル・チャイコフスキーらがその指導に関与し、音楽教育の重要拠点としての歴史が築かれました。

設立当初、学長にはV. Pukhalskyが就任しましたが、その翌年からはレインゴリト・グリエールが学長となり、大学の基盤を固めました。1925年には、上級クラスが作曲家ミコラ・リセンコにちなんで改称され、M.V.リセンコ音楽・演劇研究所へと発展しました。それ以外のクラスは音楽学校として独立しました。これにより、音楽院の教育は大きく向上し、より専門的な教育が行われるようになりました。

大学は1940年にレーニン勲章を受賞し、その後1995年にはウクライナの大統領によって教育機関としての地位を強化され、キーウ国立チャイコフスキー音楽学校という名称に改称されました。元々は1800年代に建てられたホテルを改築して使用していましたが、第二次世界大戦中に被災。この後、1955年に再建され、新たにコンサートホールが設置され、現在のような施設が完成しました。

教員陣と卒業生

音楽院の教育には、多くの著名な音楽家たちが教員として携わっています。ヴィクトル・コセンコやセルゲイ・タルノフスキー、パウル・コハンスキなどがその代表例です。彼らは音楽教育の分野においても高い評価を受け、多くの学生を指導してきました。

この音楽院からは、イーホル・ポクラードやレオ・シロタ（来日して東京音楽学校で活躍）、ウラディミール・ホロヴィッツ（著名なピアニスト）、ナタン・ラフリン（指揮者）など、数多くの著名な卒業生がいます。特にレオ・シロタは日本の音楽教育に多大な貢献を果たし、多くのピアニストを育てました。また、ボリス・リャトシンスキーやヴァレンティーナ・リシッツァといった作曲家やピアニストも卒業生として名を連ねます。

このような伝統を持つウクライナ国立チャイコフスキー記念音楽院は、音楽教育界において特に重要な役割を担っており、ウクライナの文化芸術の発展に寄与し続けています。音楽を志す若者たちにとって、この地は情熱や才能を育む場として、今もなお輝き続けています。

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