キセリャク

キセリャク（Kiseljak）は、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦、中央ボスニア県に位置する都市および基礎自治体です。サラエヴォの北西、ゼニツァの南に位置し、フォイニツァ川、レペニツァ川、クレシェヴカ川といったボスナ川の支流が流れる低地にあります。また、ヴィソコ、フォイニツァ、クレシェヴォ、ラコヴィツァからの道路が交わる交通の要衝でもあります。

歴史

キセリャク周辺における人の居住は古く、石器時代初期に遡ります。カトリック教会とホテル・ダルマティアの間、そして郊外のハン・プロツァ村には、当時の集落跡が残されています。中世においては、1244年にキセリャク・レプニツァ地域が初めて文献に登場します。オスマン帝国支配下では、この地域はナヒヤと呼ばれる行政区画に属していました。

キセリャクという地名が初めて記録されたのは1531年で、スロベニアの作家ベネディクト・クリペシチによるものです。14世紀には、ハディ・ウヴェジスが現在のキセリャクの基礎となる町を建設し、モスク、キャラバンサライ、警備所などを整備しました。これにより、多くの旅行者がキセリャクを訪れるようになり、1806年と1807年にはフランス人がミネラルウォーターについて記録を残し、オーストリアの地質学者アミ・ブーエも1836年と1838年にこの地を訪れ、水の美味しさや多くの旅行者が訪れる様子を記録しています。

また、この地域ではローマ時代の遺跡も数多く発見されており、中世の墓も発見されています。1908年にはウクチェブチ村でイリュリア人の居住地跡が発見され、ビリェラ村にも同様の遺跡が残っています。これらの遺跡からは、ローマ時代の建築物や貨幣なども発見されており、その一部はボスニア・ヘルツェゴビナ国立博物館、ザグレブ考古学博物館、フォイニツァのフランシスコ会修道院などに収蔵されています。パロス・ウクチェヴチ村は、ボスニア・ヘルツェゴビナで最大規模の考古学的遺跡の一つです。

1991年、キセリャクでは内戦に備えクロアチア人が組織化され、武器を調達しました。ユーゴスラビア人民軍の攻撃を受けることなく武器を手に入れています。その後、組織化されたクロアチア防衛評議会は、スルプスカ共和国に対する軍事行動に参加しました。紛争中、キセリャクではムスリム勢力（後のボスニア・ヘルツェゴビナ軍）とクロアチア勢力との間で戦闘が発生し、ハン・プロチャ村、カザギチ村、ゴミノニツァ村などで激しい戦いが繰り広げられました。

地区

キセリャクには、Azapovići、Badnje、Behrićiなど、多数の地区が存在します。（地区名省略）

人口動態

1971年の人口構成は、クロアチア人が56.66%、ボシュニャク人が37.20%、セルビア人が5.03%でした。1991年には、クロアチア人が51.61%、ボシュニャク人が40.92%、セルビア人が3.11%となっています。2005年の時点では、クロアチア人が73%、ボシュニャク人が26%を占めています。

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