キッズ・アー・オールライト (サウンドトラック)

『キッズ・アー・オールライト』（The Kids Are Alright）は、ザ・フーが1979年に発表した同名ドキュメンタリー映画のサウンドトラック・アルバムです。このアルバムは、ジェフ・スタイン監督によるグループの伝記映画の公開に合わせてリリースされました。

日本では、映画の公開に先駆けてこのサウンドトラック盤が発売され、映画自体は1980年代に入ってからVHSとしてリリースされました。アルバムには、映画で使用されなかった「恋のマジック・アイ」、「マイ・ワイフ」、「ジョイン・トゥゲザー」といった楽曲も収録されています。

特に注目すべきは、「ハッピー・ジャック」です。映画版ではレコード音源が使用されましたが、アルバムには1970年のリーズ大学でのライブ音源が収録されています（オリジナルLPには「スウェーデン公演より」と誤って記載されていましたが、CD版では修正されています）。また、「マジック・バス」は本作のためにステレオにリミックスされたバージョン、「トミー、聞こえるかい」は、アルバム『トミー』（1969年）に収録されているものとは異なり、フェードアウトしない別バージョンが収録されています。

ただし、映画で使用された「シャウト・アンド・シミー」、「恋のピンチ・ヒッター」、「リリーのおもかげ」、「サクセス・ストーリー」、「くもの巣と謎」、「バーバラ・アン」、「フー・アー・ユー」は、このアルバムには収録されていません。

アルバムの最後を飾る「無法の世界」は、ドラマーのキース・ムーンにとって生前最後のパフォーマンスとなりました。この曲は、彼の音楽的遺産を象徴する重要な一曲と言えるでしょう。

オリジナルLPは2枚組でリリースされましたが、1990年代までのリイシューCDは、「ジョイン・トゥゲザー」～「マイ・ジェネレーション・ブルース」のメドレーが割愛され、1枚組として販売されていました。これは、CDの収録時間に合わせるための措置でした。しかし、2000年のリマスター版では、このメドレーも収録され、曲間を縮めることで1枚組に収められています。さらに、2011年には日本限定で最新リマスター版がリリースされています。

収録曲

A面
マイ・ジェネレーション
アイ・キャント・エクスプレイン
ハッピー・ジャック
恋のマジック・アイ
マジック・バス
不死身のハード・ロック
B面
エニウェイ・エニハウ・エニホエア
ヤングマン・ブルース
マイ・ワイフ
ババ・オライリィ
C面
クイック・ワン
トミー、聞こえるかい
スパークス
ピンボールの魔術師
シー・ミー・フィール・ミー
D面
メドレー：ジョイン・トゥゲザー／ロードランナー／マイ・ジェネレーション・ブルース
* 無法の世界

このアルバムは、ザ・フーの音楽的な軌跡を辿る上で欠かせない作品であり、彼らの創造性とエネルギーが凝縮された一枚と言えるでしょう。

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