キャンベラ (ボルチモア級重巡洋艦)

アメリカ海軍重巡洋艦キャンベラ(USS Canberra, CA-70)の生涯

キャンベラは、アメリカ海軍のボルチモア級重巡洋艦の3番艦として建造されました。当初は「ピッツバーグ」と命名される予定でしたが、1942年8月に発生した第一次ソロモン海戦で、オーストラリア海軍の重巡洋艦キャンベラ(HMAS Canberra, D33)が日本軍の攻撃により失われたことを受け、その功績を称え、また、両国の絆を象徴するものとして「キャンベラ」と改名されました。

建造と初期の活動

1941年9月3日、マサチューセッツ州クインシーのベスレヘム・スチール社フォアリバー造船所で起工され、1943年4月19日に進水、同年10月14日に竣工しました。

竣工後、キャンベラは太平洋戦線に投入され、1944年6月には第58任務部隊の一員としてマリアナ沖海戦に参加しました。その後、10月13日には第38任務部隊に所属し、台湾攻撃に参加中に台湾沖航空戦に遭遇、日本軍の一式陸上攻撃機による雷撃を受け、魚雷1本が命中し航行不能となる損害を受けました。応急処置後、重巡洋艦ウィチタ(USS Wichita, CA-45)に曳航されて後退、ボストン海軍工廠で修理が行われました。

ミサイル巡洋艦への改装と再就役

1947年3月7日に退役し、ワシントン州ブレマートンのピュージェット・サウンド海軍工廠で保管艦となりましたが、1952年にはボストン級ミサイル巡洋艦の2番艦(CAG-2)として改装されることが決定しました。改装工事はニュージャージー州カムデンのニューヨーク造船所で行われ、1956年6月15日に再就役し、ヴァージニア州ノーフォークを母港としました。

その後の活動と退役

ミサイル[巡洋艦]]として再就役を果たしたキャンベラでしたが、1968年には再び重巡洋艦]に類別変更され、[[1970年2月2日に退役しました。その後、1978年7月31日に除籍され、1980年7月31日にスクラップとして売却、解体されました。

キャンベラの歴史的意義

キャンベラは、第二次世界大戦から冷戦時代にかけてのアメリカ海軍の変遷を象徴する艦艇です。重巡洋艦としての活躍、ミサイル巡洋艦への改装、そして最終的な退役という経緯は、技術革新と戦略の変化を反映しています。また、その艦名は、オーストラリアとの友好関係を象徴し、両国の歴史的なつながりを今に伝えています。

まとめ

キャンベラは、その長い生涯の中で数々の戦いを経験し、幾度もの姿を変えながらも、アメリカ海軍の重要な一員として活躍しました。その歴史は、アメリカ海軍の発展だけでなく、アメリカとオーストラリアの友好関係の象徴として、記憶されるべきでしょう。



Naval Historical Center: USS Canberra - ウェイバックマシン（2004年3月15日アーカイブ分）
NavSource Online: USS Canberra (CA-70/CAG-2)

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