キンキンの歌え!新婚カンコン

『キンキンの歌え!新婚カンコン』は、1985年 10月6日から1986年 4月6日まで、主にTBSテレビ系列局で放送された、毎日放送（MBS）制作の視聴者参加型歌謡バラエティ番組です。放送時間は毎週日曜日の午後1時から1時54分で、全25回（一部資料では24回）が放送されました。「キンキン」の愛称で親しまれたタレント、愛川欽也がメイン司会を務める、彼の名を冠した番組でした。

番組内容と特色

番組の司会は愛川欽也が担当し、パートナーとしてマリアンが出演しました。ただし、長崎での収録回においては、マリアンのスケジュール調整が難航したため、清水由貴子が急遽代役を務めた例もあります。

毎週、応募者の中から選ばれた4組の新婚夫婦がゲストとして登場し、歌唱力を競い合いました。番組はまず、各夫婦が馴れ初めやエピソードなどを語る自己紹介タイムからスタート。短いスピーチの後、CMを挟んでいよいよ歌合戦が始まります。歌合戦はトーナメント方式で行われ、まず1回戦で4組が2組ずつに分かれ、ソロで歌唱して対決。勝ち進んだ2組が決勝戦に進出し、ここでは夫婦二人でデュエットを披露して優勝を目指しました。

優勝が決定すると、天井からは大量の紙吹雪が降り注ぎ、華やかなお祝いムードが高まりました。この紙吹雪が舞う瞬間は、スローモーション演出が用いられるのがお決まりでした。優勝した夫婦は、司会の愛川欽也から簡単なインタビューを受けた後、賞品として「ハワイ旅行」か「自動車（スズキ・マイティボーイ）」のいずれか一方を選ぶことができました。全放送回を通して見ると、ハワイ旅行が選ばれるケースが圧倒的に多かったようです。贈呈された自動車は、番組が収録された現地のディーラーから提供されることがほとんどでした。また、惜しくも優勝を逃した出場夫婦にも、スポンサー各社からの参加賞が贈呈されました。番組はCMに入る直前には、専用のアイキャッチ映像を表示していました。

制作体制とネット局

本番組は、前番組である『全日本ドレミファミリー歌合戦』の流れを汲み、毎日放送が幹事局となり、TBS系列各局との共同制作という形で制作されました。番組は日本各地のホールを利用した公開収録形式で行われ、観覧希望者は事前に各地域の系列局（関東地方からは毎日放送東京支社宛）に往復ハガキで申し込む必要がありました。番組の後半にはゲスト歌手による歌唱コーナーがあり、その後には視聴者向けのプレゼントコーナーも設けられていました。このプレゼントへの応募は、毎日放送の大阪本社（当時の吹田千里局留め）宛にハガキを送る形でした。

ゲスト出演者の多くは歌手であり、番組の終盤に新曲などを披露するほか、出場夫婦の歌唱に対する審査員も兼任しました。審査員には、作曲家の中村泰士やタレントの谷啓らが名を連ねていました。

ネット局はMBS、TBSをはじめ、北海道放送、青森テレビ、岩手放送、東北放送、テレビユー福島、新潟放送、テレビ山梨、信越放送、静岡放送、中部日本放送、北陸放送、山陰放送、山陽放送、中国放送、テレビ高知、RKB毎日放送、熊本放送、長崎放送、大分放送、宮崎放送、南日本放送、琉球放送といったTBS系列局の多くで同時ネットされました。また、福井テレビジョン放送（フジテレビ系列）やテレビ山口（当時フジテレビ系列とのクロスネット局）でも同時ネットで放送されていました。富山テレビ放送（当時T34、現在のBBT・フジテレビ系列）では、日曜日の昼に遅れネットで放送されていました。

なお、制作局である毎日放送に限っては、1986年3月30日放送分が選抜高校野球中継と重なったため、通常時間より大幅に遅れて夕方に放送されました。他のネット局は、MBSからの裏送りを受けて通常通り放送されました。

短期間の放送ではありましたが、愛川欽也の軽妙な司会と、新婚夫婦たちの初々しい姿や歌声、そして豪華な賞品が話題を呼び、日曜の昼間に多くの視聴者に楽しまれました。

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