キーロック

キーロック（Key Lock）

キーロックは、プロレスや柔道をはじめとした格闘技において非常に古典的な関節技の一つです。この技は、特に上腕二頭筋や肘関節を極めるために用いられます。別名では鍵穴固めやショートアームシザースとも呼ばれ、様々な競技で見ることができます。

基本の技術

この技は、グラウンド状態で相手の片腕を「く」の字に曲げ、その二の腕と手首の部分を片脚で挟みます。次に、自分の腕を曲がった腕の間に通し、両脚を4の字の形に組みます。ここで自分の体重を相手の方向にかけることによって、上腕二頭筋に圧力を与え、肘関節に対しても負荷をかけることができます。この技は、腕挫十字固を試みた際、相手が腕をロックして防御している場合の返し技としても役立ちます。

キーロックはバイセップスライサーの一種ですが、ブラジリアン柔術の国際ブラジリアン柔術連盟ではジュブナイル（18歳以下）や紫帯、青帯、白帯の選手に対して反則となる場合があります。これは特定の年齢や帯の層での安全性を考慮したものです。

使用者とその特徴

この技を使用するプロレスラーには、藤波辰爾、渕正信、武藤敬司、ボブ・バックランドなどがいます。これらの選手は、キーロックを用いて試合中に印象的なシーンを演出しました。特に、カール・ゴッチが新日本プロレスの旗揚げ時にアントニオ猪木を持ち上げたことで、この技が注目を浴びました。その後も、ボブ・バックランドやデイビーボーイ・スミスといったレスラーがこのアクションを披露しました。

技の影響

キーロックの特徴的な点は、長時間技をかけ続けることで、ただ肘関節を極めるだけでなく、肘から先に血液が回らなくなることです。このため、極められた選手は残ったもう一方の手を使って、極められた方の手をはたいて感覚を取り戻そうとする様子がよく見受けられます。これは技の効果を物語る重要なポイントの一つです。

さらに、柔道においては、抑込技である崩袈裟固や後袈裟固と組み合わせて用いることもあります。キーロックは、相手を持ち上げるアクションがプロレスラーにとって特に見せ場となり、観客に強い印象を残します。

その他の関連技

また、カーフスライサーのニーロックも、同様の姿勢で実行されますが、こちらは上腕二頭筋ではなく脹脛を攻撃対象にするもので、技のバリエーションの一つと言えます。これにより、様々なシチュエーションに応じて戦略を変えることが可能です。

このようにキーロックは、プロレスと柔道の両方で、その独自のテクニックと効果から重要な役割を果たしています。

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