ギリシャ共産党

ギリシャ共産党(ΚΚΕ): ギリシャ政治における歴史と影響

ギリシャ共産党(ΚΚΕ)は、ギリシャで最も長く続く共産主義政党であり、同国の政治において重要な役割を果たしてきました。1918年、アブラーム・ベナロヤらによってギリシャ社会主義労働者党として設立され、その後、幾度かの改名を経て現在の名称となりました。機関紙『リゾスパスティス』は1916年から発行されており、党のイデオロギーと活動を国民に伝える役割を担っています。

ΚΚΕの初期の歴史は、第二インターナショナルへの加盟、共産主義への転向、そしてギリシャ内戦(1946-1949)への関与によって特徴付けられます。内戦においては、他の左派組織とともに民族解放軍(ELAS)を結成し、一時的にギリシャ全土の4分の3を支配下に置きました。しかし、戦後、政府軍とイギリス軍との戦闘により敗北を喫し、1974年まで非合法化されました。

非合法化期間中、ΚΚΕは統一民主[左翼]を支持し、地下組織として活動を続けました。[1968年]]には、ソ連寄りだった主流派と、ユーロコミュニズムに傾倒した国内派が分裂しました。1974年の民主化後、ΚΚΕはEDAと合同で左派連合を結成し、選挙で一定の支持を獲得しました。1980年代には、他の左派組織とともに左翼進歩連合(Synaspismos)を結成しましたが、1991年には脱退しています。Synaspismosはその後、[[急進左派連合]へと発展しました。

ΚΚΕは、地方議会、国会、[欧州議会]]に議員を送り込み、ギリシャの政治に影響を与え続けています。欧州議会においては、当初は欧州左翼党に非加盟でしたが、欧州統一左派・北方緑の左派同盟]の一員として活動していました。しかし、[[2013年には、より左派的な政党連合「共産党・労働者党イニシアティブ」を結成し、EUL-NGLを脱退しました。

近年、ΚΚΕはギリシャの緊縮財政政策に強く反対し、政府与党への批判を強めています。2012年の総選挙では、緊縮政策への国民の不満を背景に議席数を増やし、注目を集めました。しかし、その後の選挙では議席数を減らす結果となりました。2010年代後半には、年金受給者たちのデモを組織するなど、極左的な活動も見られるようになりました。

ΚΚΕは、親露的立場を取っており、「帝国主義のNATOとEU」からの脱退を主張しています。また、ドネツク人民共和国に監視団を派遣するなど、ロシアとの関係を積極的に維持しています。

総じて、ΚΚΕはギリシャの政治史において重要な役割を果たしてきた政党であり、現在もその影響力は無視できません。その歴史、イデオロギー、活動、そして国際関係は、ギリシャ政治を理解する上で欠かせない要素となっています。今後も、ギリシャの政治情勢や国際情勢の変化に応じて、ΚΚΕの活動と影響力は変化していくと考えられます。

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